WHO『世界患者安全の日』記念シンポジウム 2025
- 林田医療裁判
- 9月23日
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NPO法人「架け橋」はWHO『世界患者安全の日』記念シンポジウム 2025「患者・家族とのパートナーシップに向けて―意思決定の支援体制を構築するために―」を2025年9月23日に東京都文京区本郷の全水道会館とZoomで開催した。林田医療裁判を考える会からも参加した。
The non-profit organization Kakehashi held a symposium to commemorate the WHO "World Patient Safety Day" at the Zen Suido Kaikan and Zoom in Hongo, Bunkyo City, Tokyo, Japan, on September 23, 2025.
毎年9月17日は世界患者安全の日World Patient Safety Day; WPSDである。世界患者安全の日は世界保健機関WHO; World Health Organizationが定めた記念日である。患者安全を促進するために世界保健機関WHO加盟国による世界的な連携と行動に向けた活動をすることを目的とし、医療制度を利用する全ての人々のリスクを軽減するために2019年にWHO総会で制定された。
World Patient Safety Day is observed annually on 17 September. This day was established by the World Health Organization (WHO) to raise awareness and promote global actions to enhance patient safety in 2019. Each year, it focuses on a specific theme to highlight different aspects of patient safety. 2025 is the 6th anniversary of its establishment.
世界患者安全の日は2025年で制定6周年になる。2025年のテーマとスローガンは以下である。
テーマ:Safe care for every newborn and every child
スローガン:Patient safety from the start!
世界患者安全の日のテーマカラーはオレンジである。建築物などをオレンジ色の光でライトアップするキャンペーンが世界各地で行われている。東京都庁や隅田川にかかる白鬚橋、吾妻橋、駒形橋、厩橋、蔵前橋、清洲橋、永代橋、佃大橋、勝鬨橋、築地大橋もライトアップされた。
肥田圭介「患者・家族と医療者をふまえた医療事故調査 当院での院内事故調査事例を振り返って」では岩手医科大学附属病院で起きた医療事故を共有した。この医療事故では遺族が病院に質問状を出している。院内事故調査では遺族からの質問状と病院の回答を調査委員会の資料とした。これは、患者・家族と医療者が「対話」を通じて安全性を高める新しいモデルの一例である。
林田医療裁判でも質問状を出している。質問状は、医療機関と患者・家族の間に橋を架ける有効な手段になる。患者や家族の声が医療の透明性を高める一歩となる。医療は、命を預かる現場。だからこそ、患者や家族の声がもっと届く仕組みが必要である。
新田雅彦「すべての子どもに安全なケアを提供するためにできること」では演者が過去2年間で5件の医療事故調査を見聞きしたが、全てモニターアラーム対応の事例であったという。この事実は、医療現場での監視体制や迅速な対応の重要性を浮き彫りにする。適切なモニタリングがなされない、見落とされることが命に直結する。
林田医療裁判では長男が医師に無断で栄養剤の注入速度を速めた。林田医療裁判の公開質問状では以下の質問を出している。
「患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください」
この質問は、医療現場における安全管理のさらなる強化を促すものである。医療機関は、こうしたリスクにどう対応しているのか、具体的な対策が求められている。
医療の安全は医療者だけのものではない。患者や家族が医療者と対等に意見を交わし、信頼関係を築くことで、より安全で質の高い医療が実現する。患者、家族、そして医療消費者であるあなたの声が、医療の質と安全性を高める力になる。事故を防ぐために、そして万が一のときに納得できる対応を受けるために、「架け橋」の取り組みは、まさにその名の通り、医療と市民をつなぐ架け橋である。
患者・家族とのパートナーシップに向けて
公開質問状(44)World Patient Safety Day
公開質問状(45)「世界患者安全の日」&「架け橋」10周年記念シンポ
WHO『世界患者安全の日』制定5周年記念シンポジウム 2024
Get it right, make it safe!
患者と医療者をつなぐ医療対話推進活動から学ぶ、医療安全の進化

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