9月17日は世界患者安全の日World Patient Safety Dayです。世界患者安全の日は世界保健機関WHO; World Health Organizationが定めた日です。患者安全を促進するために世界保健機関WHO加盟国による世界的な連携と行動に向けた活動をすることを目的とし、医療制度を利用する全ての人々のリスクを軽減するために2019年にWHO総会で制定されました。
World Patient Safety Day is observed annually on 17 September. This day was established by the World Health Organization (WHO) to raise awareness and promote global actions to enhance patient safety. Each year, it focuses on a specific theme to highlight different aspects of patient safety.
世界患者安全の日のテーマカラーはオレンジです。建築物などをオレンジ色の光でライトアップするキャンペーンが世界各地で行われています。東京都庁もライトアップされました。
2024年のテーマとスローガンは以下になります。
テーマ「Improving diagnosis for patient safety」(患者の安全のために診断を改善する)
スローガン「Get it right, make it safe!」(正しく、安全に!)
診断は、患者の健康問題を特定するものです。診断に至るまでには、患者と医療チームが協力して、複雑で、時には長い診断プロセスを進めなければなりません。最終的な診断と治療に至るまでには、患者との話し合い、診察、検査、結果の検討などが含まれます。
誤りはどの段階でも起こりうるものであり、重大な結果をもたらす危険性があります。診断の遅れ、誤り、見逃しは、病気を長引かせ、時には身体障害や死に至ることさえあります。2024年の世界患者安全の日は患者の安全性を向上させる上で、正しくタイムリーな診断が極めて重要な役割を果たすことを強調します。
林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償控訴事件)では患者の長男が経管栄養の流入速度を速め、その後に患者は嘔吐しました。しかし、それは診断に反映されませんでした。
患者のカルテには「誤嚥性肺炎」が死因として記載されました。ところが、立正佼成会附属佼成病院(現:杏林大学医学部付属杉並病院)の医師は証人尋問でカルテの記載は誤診であり、多剤耐性緑膿菌(Multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa; MDRP)の院内感染が死因と証言しました(東京地方裁判所610号法廷、2016年6月1日)。正しくタイムリーな診断がなされないことの問題の一例です。
World Patient Safety Day
公開質問状(44)World Patient Safety Day
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