患者と医療者をつなぐ医療対話推進活動から学ぶ、医療安全の進化
- 林田医療裁判
- 5 時間前
- 読了時間: 3分
患者の権利法をつくる会は第14回医療基本法学習会「患者と医療者をつなぐ医療対話推進活動から学ぶ、医療安全の進化」を2025年6月29日(日)にZoom上ウェビナーで開催した。講師は豊田郁子・NPO法人架け橋理事長。林田医療裁判を考える会も学習会に参加した。
The Association for the Patients' Rights Law held the 14th Basic Medical Care Law Study Session "The Evolution of Medical Safety: Learning from Activities to Promote Medical Dialogue Linking Patients and Health Care Providers" on June 29, 2025 at Zoom. The Association for the Hayashida Medical Trial participated in the study session.
患者の患者と医療者をつなぐ医療対話推進活動から学ぶ、医療安全の進化権利法をつくる会は患者の権利を定めた法律の制定を目指す団体である。患者の権利保障を中心に据えた「医療基本法」の法制化を目指している。消費者基本法や教育基本法など特定分野の根幹になる法律として基本法が存在する。しかし、日本では未だに医療基本法が存在しない。
息子の医療事故を経験している。腸閉塞が放置され、死亡した。内部告発され、新聞報道された。病院の患者支援室の相談窓口担当者となった。病院にて職員間の対話を促進する目的で、患者・家族と向き合うことの大切さなどをテーマとして「医療ADR(裁判外粉争解決)研修会」を始めた。研修会を行っていく中で、院外にも広げることの必要性を感じて架け橋を発足した。
NPO法人架け橋は医療者と患者・家族間の信頼関係の構築を目的とし、コミュニケーション・対話を促進するために医療者への支援と啓発を提供する。医療事故の遺族が役員になっているが、遺族と向き合いたいという真摯な医療者を先ず支援したいとなった。
医療安全対策検討会議「医療安全推進総合対策」には「医療への信頼を高め、患者の視点に立った医療を実現するために、医療内容等に関する十分な説明や情報提供を行うとともに、患者自らが相談でき、患者の自己決定を支える体制を整備することが必要である」との記載がある。インフォームド・コンセントが医療安全につながる。
質疑応答ではメディエイター(中立な立場で話し合い)には限界があるのではないか、権利擁護を図るアドヴォケイターの役割が求められる場面があるのではないかとの指摘がなされた。
メディエイターは、中立的な立場に立って信頼関係の構築を目指して「話し合いによる解決」を図ろうとする。これは「本来守られている利益・権利を守ろう」とすることとはギャップがある。これによって権利等が不明確なものとなりやすくなる危険がある。信頼関係構築が前面に出ると、患者の権利が出てこなくなり、患者に自発的に遠慮させようとなってしまう危険がある。
次回は9月20日(土)に東京アドヴォカシー法律事務所の池原毅和弁護士が精神科医療の問題を話す予定。「曖昧さに満ちた日本の「医療観察法」」岡崎伸郎、高木俊介編『メンタルヘルス・ライブラリー 動き出した「医療観察法」を検証する』(批評社、2006年)などを出している。
林田医療裁判の公開質問状71プロフェッショナリズム
林田医療裁判の公開質問状65医療事故と命の尊厳
氾濫する医療情報をどう受け止めるか
医師の働き方改革は患者の権利にどのような影響を与えるか
国際保健規則改正とパンデミック条約
医療基本法と患者・医療従事者の権利

Comments