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林田医療裁判の公開質問状74医療機関の二極化

執筆者の写真: 林田医療裁判林田医療裁判

彼岸もあけていよいよ春です。皆様お変わりございませんか。

杏林大学医学部付属杉並病院へ74回目の公開質問状を送付しました。

2025年3月12日に開催されました日本医療安全調査機構による第3回医療事故調査・支援事業運営委員会に林田医療裁判を考える会もZOOmで傍聴致しました。

委員からの意見では、医療機関が医療事故かどうかの調査をせず合併症で終わらせてしまう、という意見が出ました。林田医療裁判と重なる問題が幾つかありました。

ご覧いただければ幸いです。

これからは花粉の季節にもなります。お体をご自愛ください。


林田医療裁判を考える会の公開質問状には医療事故調査制度や過去の医療事故調査・支援事業運営委員会の傍聴内容をテーマとしたものもあります。

林田医療裁判の公開質問状60医療事故調査・支援事業運営委員会

公開質問状36医療事故調査制度


杏林大学医学部付属杉並病院 病院長 市村正一 様

公 開 質 問 状(74) 2025年3月24日

拝啓 

 昨日で彼岸もあけていよいよ春の季節にはいります。院長先生にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。


一般社団法人日本医療安全調査機構による令和6年度第3回医療事故調査・支援事業運営委員会が2025年3月12日に東京都港区浜松町で開催されました。議題は医療事故調査制度の現況等です。林田医療裁判を考える会からもZoomで傍聴致しました。


委員から以下の意見が出ました。

医療機関によって積極的に医療事故報告をするところと消極的なところと二極化が感じられる。

管理者の意識が低い。管理者が医療事故報告を止めているとの話を聞く。管理者がもっと色々なところに相談し、医療事故報告をすることが再発防止になるという意識を持ってほしい。

今はオンデマンドのWebセミナーもあり、忙しくても意識があれば受講できるようになっている。

医療事故の基準が曖昧である。医療機関の説明不足がある。後出しで「予期した」と説明する。それは管理の問題であり、医療事故ではないと説明する。調査せずに「合併症」で終わってしまう。調査を進めるためにどうすればいいかを議論して欲しい。簡単な言葉で調査に入らないと説明することがあり過ぎる。

公表の仕方は厚生労働省の記者クラブで発表するなどして色々な人が知るようにして欲しい。


以下は、林田医療裁判を踏まえた感想です。

意見の中でも重要な指摘は、医療事故報告を積極的に行う医療機関と消極的な医療機関の二極化が生じている点です。医療機関による意識の差は林田医療裁判でも感じました。

第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」で林田医療裁判が取り上げられましたが、出席した医療関係者から医療現場の感覚では、病院の対応に問題があったと指摘する発言が相次ぎました。

・本人の意思確認が出来ず、病院が患者側のキーパーソンを決める場合、患者の意志が最も分かっている家族は誰か確認せず、同居している長男を安易に決めた点に問題があった。

・長男から延命治療を希望しない申し出があったとき、主治医一人が判断して対応するのではなく、チーム医療の多職種や、倫理委員会など、集団で今後の対応を検討すべきだった。

・チームとして対応していれば、終末期医療について、家族間に意見の相違があっても、家族に丁寧にヒアリングすることで、患者の意志を把握できる可能性があったのではないか。

(林田医療裁判blog「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウムに林田医療裁判」より)


意見の中で指摘されている「調査せずに合併症で終わらせてしまう」という問題も、林田医療裁判と重なる重要な論点です。医療機関が「医療事故ではなく合併症」と判断し、調査を避けることで、再発防止や医療の質改善の機会を失っている現状があります。


林田医療裁判ではカルテに死因は誤嚥性肺炎と記載されていました。ところが担当医師は裁判の終盤の証人尋問で、誤嚥性肺炎は誤診で、多剤耐性緑膿菌(multidrug resistance Pseudomonas aeruginosa; MDRP)の院内感染が死因と証言しました(東京地方裁判所610号法廷、2016年6月1日)。死因が適切に調査・記録されず、有耶無耶にされたままになっています。


また、患者が亡くなる前日の朝、呼吸が出来ずに喘いでいる患者の面前で担当医師は「苦しそうに見えますが今お花畑です」と言うだけで何もしませんでした。ところが裁判では「異議が出なかったから同意した」と言われました。貴病院の言動・説明には未だに理解できないところが多すぎます。もう少し患者・家族一般市民に分かるようにご説明ください。この質問状はネット上に公開し広く世間と共に議論を深め開かれた医療を進める為の一助にしたいと考えます。


                                敬具


*****

         公 開 質 問 状(2019年6月30日 第1回)

第1 質問事項

1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。

2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。

3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。


第2 質問の趣旨

 1  林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。


 2  そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。


3  従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。


以上


林田医療裁判の公開質問状
林田医療裁判の公開質問状

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