林田医療裁判の公開質問状8019番目のカルテ
- 林田医療裁判
- 13 時間前
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残暑お見舞い申し上げます。
杏林大学医学部付属杉並病院へ公開質問状(80)を送付しました。
8月24日TBSテレビドラマ「19番目のカルテ『最終章へ!旅立つ人とその家族のため、医師にできること』」を視聴いたしました。私は、以前より病院長先生には、看取りについてのお考えをお尋ねしたいと考えていましたので早速9月のテーマといたしました。
ドラマでは、医療者達の話し合いの中で患者の痛みや呼吸の苦痛を和らげる薬の調整や努力をしていました。家族としても死に逝く人の穏やかな顔は何よりの慰めになります。しかし、林田医療裁判の担当医師は、頑張って呼吸をしている患者の面前で「苦しそうに見えますが今お花畑です」と言うだけで何もしないで眺めていました。呼吸が出来ず苦しんだ母の死に顔は酷い形相でした。
ドラマでは、林田医療裁判がテーマとした誰にでも訪れる最期の場面、人間の尊厳、家族とは、看取りの意味を考えさせられました。ご覧いただければ幸いです。
暑さ厳しき折お体をご自愛ください。
杏林大学医学部付属杉並病院 病院長 市村正一 様
公 開 質 問 状(80) 2025年9月1日
拝啓
残暑お見舞い申し上げます。
例年にない猛暑日が続いています。病院長先生にはお変わりございませんでしょうか。高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって林田医療裁判の公開質問状も今回で80回目を迎えました。令和元年6月より始まり貴病院と一緒に歩めたのもひとえに病院長先生のご理解があってこそ、と思っております。今後とも宜しくお願い申し上げます。
8月24日夜9時よりTBSテレビドラマ「19番目のカルテ『最終章へ!旅立つ人とその家族のため、医師にできること』」を視聴いたしました。ある家族の看取りの場面が丁寧に描かれています。医師が果たすべき役割、家族が抱える葛藤、そして看取りの意味を、静かに、しかし力強く問いかけてくる作品です。命と向き合う尊さ、そして看取りの深い意味を問いかけます。
ドラマの患者は末期がんですが、積極的治療は望まず在宅で経鼻酸素吸入をしています。訪問診療で医師が自宅に通っていますので患者の日常に支障がないよう痛み止めもしてくれている、と思われます。
ドラマでは、医療者数人が集まりこの患者について話し合いの場面が数回ありました。「呼吸が苦しそうだったから楽になるように薬を変えた」とも話していました。このドラマの大きな魅力は、チーム医療の姿勢がしっかりと描かれている点です。ドラマは理想を描くものではありますが、視聴者に「こうあってほしい」と思わせる説得力がありました。痛みの緩和や呼吸の苦しさに対する薬の調整など、患者の生活の質QOL; Quality of Lifeを守るための細やかなケアが描かれていました。
患者には同居している次男と、離れて暮らす長男がいます。医師は、治療に対する家族の迷いや、兄弟それぞれの複雑な想いを知ります。キーパーソンとしか話さない医療とは異なります。
臨終の場面では、家族が「まだ聞こえているのでしょうか?」と問いかけると、医師は「耳は最後まで、声はきっと届いています」と優しく答えます。この一言が、どれほど家族の心を支えるか、医療者の言葉の力を改めて感じさせられました。
誰にでも来る死はその人の人生の最期の大切な場面です。また看取る側にとっても忘れられない大切な場面です。死に逝く人の苦しみが少しでも軽くなるようにしてあげたい、心静かに寄り添い感謝の言葉を言いたい。看取りとは、尊厳とは、人間らしくとは、どうあるべきかを考えさせられるドラマでした。
現実の林田医療裁判の担当医師は、貴病院が家族らに相談なく独自に決めたキーパーソン(長男)の治療拒否に従い、その日に誤嚥性肺炎の治療をやめました。結果、患者の容体は悪化の一途をたどり呼吸困難になるも担当医師は、キーパーソンの酸素吸入拒否にも従いました。患者本人の意思は確認せず、他の家族らとも協議説明しませんでした。医学の専門家であり患者の容体を良く分かっている担当医師が医学の知識のない素人のキーパーソンに簡単に従っているのが疑問です。貴病院のキーパーソンにはどのような役割・権限があるのでしょうか。
貴病院では、キーパーソンが酸素吸入を拒否したら医師は、患者の酸素マスクを外しました。でも夜間だけ酸素マスクをして朝になると外しました。その理由を貴病院は東京地方裁判所で、夜間に呼吸が止まらないようにしている(もとより、酸素があるほうが本人は楽であろうが)ものである。夜間に呼吸が止まると夜間は手薄・・あたふたさせないようになどの配慮であることを陳述しました。
また担当医師は、呼吸が出来なくて喘いでいる患者の面前で「苦しそうに見えますが今お花畑です。」と説明するだけで何もしないで苦しんでいる患者を眺めていました。患者は約5日間苦しい日々の繰り返しを強いられて命を縮めて絶たれました。苦しみもがいた死に顔は、恐ろしい形相でした。医師記録最期には「SPO2 80台でありながら本日をむかえた!」と記載されています。
患者の死が確認されて長男が担当医師にお礼を渡すと担当医師は、「私は生かしたわけではないので」と述べられた言葉が不可解でした。
病院長先生は、看取りについてどうお考えなのかお尋ねいたします。医療機関としてのご意見をお寄せ下さることが期待されています。
林田医療裁判は、終末期医療における患者の自己決定権、家族の関与、医療チームの倫理的判断の重要性を教えてくれます。日々、命と向き合う医療者の皆様にとって、林田医療裁判は、患者中心のケアを追求しつつ、多職種連携で倫理的課題に対応する意義を再確認する機会となるでしょう。
この質問状はネット上に公開し市民と共に議論を深め学習致します。医療者の患者・家族の話を聞く姿勢は「良い病院にしよう」という思いに繋がります。第1回公開質問状が未回答ですのでご回答ご意見をお寄せ下さいますようお願い申し上げます。
敬具
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公 開 質 問 状(2019年6月30日 第1回)
第1 質問事項
1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。
2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。
3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。
第2 質問の趣旨
1 林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。
2 そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。
3 従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。
以上
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