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執筆者の写真林田医療裁判

医療基本法と患者・医療従事者の権利

患者の権利法をつくる会や患者の声協議会が2021年11月13日、医療基本法制定に向けたシンポジウムをオンライン開催した。タイトルは「医療基本法と患者・医療従事者の権利~コロナ禍の日本で、明日の医療を考える~」。#林田医療裁判 を考える会も参加した。


基調講演は内田博文・九州大学名誉教授・国立ハンセン病資料館館長。内田さんは『日本の医事法と患者・医療者の権利』の著者。日本には医療のめざすべき指針を定めた医療基本法が存在しない。医事法は国家統制の上意下達であり、それでは国民の生命も医療者の職も守れない。患者の権利を中核にした医療基本法の制定が望まれる。


日本では医療従事者にはパターナリズム、患者側にはお任せ医療の意識が強いと指摘された。ここは同感である。本人の同意が求められるようになったが、医療側がやりたいことを押し付け、何かあった場合の責任を逃れるためのアリバイ作りとして行われがちである。


指定発言者は伊藤たておさん、浦松雅史さん、三角美保子さん、宮脇正和さん。司会は木下正一郎弁護士。


林田医療裁判を考える会は以下の質問を行った。「医療現場では病院側は契約手続きの便宜から患者の家族の一人をキーパーソンとして、本人が高齢者などでコミュニケーションが難しい場合にキーパーソンとだけ話を進める傾向がみられます。キーパーソンの意向で治療をしないようなことも起こります。このような場合を医療基本法はどのような論理で抑制できますか」。


これに対して「キーパーソンが患者の利益を真に代弁できるかが問題になると思います」との回答がなされた。第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」でもキーパーソンを同居している長男と安易に決めた点に問題があったとの意見が出ている。


シンポジウムは「患者の権利を守ることが医療従事者の権利を守ることになる」とまとめられた。



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