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菊池事件再審請求の今

  • 執筆者の写真: 林田医療裁判
    林田医療裁判
  • 1 日前
  • 読了時間: 4分

「映画「新・あつい壁」上映会と菊池事件再審請求の今」が2025年11月30日に大分県大分市のホルトホール大分で開催されました。「菊池事件再審請求の今」は德田靖之弁護士の講演です。ハンセン病問題は今も終わっていません。死刑執行後の現在も、名誉回復のための闘いが続いています。日本における人権と憲法を守るための重要な闘いです。


菊池事件は、戦後ハンセン病隔離政策を効果的に実現するために全国で官民一体となって推進されていた「無らい県運動」の渦中において、熊本県内の山村で発生した同一被害者に対する殺人未遂事件と殺人事件のことです。

ハンセン病患者とされたFさんが、ハンセン病療養所への入所勧奨をした役場職員である被害者を逆恨みして起こしたとして、犯人としてでっちあげられたのです。Fさんは一貫して無実を主張していましたが、ハンセン病だということで、裁判もハンセン病療養所である菊池恵楓園内か隣接したハンセン病患者専用の刑務所内に設置された「特別法廷」で実施されました。ハンセン病療養所は隔離施設であるため、一般の傍聴は事実上不可能な状態でした。1953年8月29日、熊本地裁は殺人事件について「死刑判決」を出し、1957年8月には最高裁で「死刑判決」が確定しました。

1962年9月13日第三次再審請求申し立て棄却決定が熊本地裁で出されました。その翌日、死刑が施行されてしまいました。


日本初の死刑執行後の再審請求の現状

菊池事件に関しては、現在熊本地裁に二つの再審請求がなされています。一つは、1,205人の市民が再審請求人となった「国民的再審請求」と呼ばれているもので、もう一つは、Fさんの遺族による「再審請求」です。

2025年7月7日、「再審請求審」が熊本地裁で終結しました。同日あった裁判所、検察、弁護団による非公開の「三者協議」では、地裁は再審を開始するか否かの決定を「2026年1月末までに出す」と明らかにしました。弁護側は「国の最高法規である憲法に違反した法廷が開かれたことのみをもっても再審開始の理由になる」と訴え、その他鑑定書等「新証拠」も提出しています。


今、国民・市民が動く時

菊池事件は「無らい県運動」の渦中におこったハンセン病元患者らの人権を著しく侵害した事件です。そして、「無らい県運動」によって国民・市民も加害行為を行う側に立たされ、現実に加害行為を行ってきました。2020年に熊本地裁で隔離法廷である「特別法廷」は違憲であるとの判決が確定しています。その違憲な「特別法廷」にFさんを立たせた責任は、国はもとより国民・市民にもあるのです。

この5年間、我が国の司法判断は、「憲法違反で死刑執行」がなされてもいいという立場であり、今日もそれは継続されています。菊池事件の再審問題は違憲な隔離法廷で死刑が執行されたFさんの生前の人権の回復及び名誉の回復、ご遺族らの名誉の回復のみならず、私たちの国の「憲法」を守る闘いです。

菊池事件における私たち国民・市民の立ち位置は加害者の立場です。今こそ、私たち国民・市民は菊池事件に真摯に向き合い、国民・市民としての責任を果たすべき時です。

今、行動しましょう!

必ず、Fさんの再審開始を勝ちとりましょう!


映画「新・あつい壁」は、1951(昭和26)年に発生した菊池事件を描いた、中山節夫監督に

よるハンセン病問題、患者とその家族に対する差別の実態を浮き彫りにした映画です。

2007年/111分/日本

監督:中山節夫

出演:趙珉和 安藤一生 左時枝ほか

企画:映画「新・あつい壁」製作・上映実行委員会

制作:中山映画株式會社

企画協力:全国ハンセン病療養所入所者協議会

神美知宏/志村康

脚本:横田与志

脚本協力:大竹 章(全国ハンセン病療養所入所者協議会)


映画「新・あつい壁」上映会

ハンセン病に対する偏見によるえん罪 菊池事件

差別が冤罪(えんざい)を生んだ~狭山事件と菊池事件

菊池事件 ハンセン病差別の壁をこえるために

ハンセン病問題から私が学んだもの


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