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  • 執筆者の写真林田医療裁判

HPVワクチン接種による副反応疑い報告の増加を踏まえた適切な対応について

薬害オンブズパースン会議は2024年9月4日、厚生労働省に対し要請書「HPVワクチン接種による副反応疑い報告の増加を踏まえた適切な対応について」を提出しました。


2024年9月4日

厚生労働大臣 武見 敬三 殿

厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

部会長 森尾 友宏 殿

薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

調査会長 岡 明 殿


要請書

HPVワクチン接種による副反応疑い報告の増加を踏まえた適切な対応について


薬害オンブズパースン会議

代表 鈴木利廣


要請の趣旨

1 HPVワクチンの接種の積極的勧奨を再開した後の副反応疑い報告の実数が明らかに増加していることを踏まえて、個別症例の実態調査を行って下さい。

2 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会および薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下、合わせて「副反応検討部会」といいます)においてHPVワクチンの接種状況及び副反応疑い報告の推移を監視する際に、副反応の発症時期と施設納入時期が対応しないHPVワクチン副反応疑い報告の割合のグラフ(以下「割合グラフ」といいます)を提示することは、副反応被害の実態と全く関係のない情報ですので、その提示を撤回して下さい。


要請の理由

1 HPVワクチン副反応疑い報告の推移に関する厚生労働省の説明状況

2022年4月にHPVワクチンの積極的接種勧奨が再開された後の同ワクチンの接種状況及び副反応疑い報告の推移について、厚生労働省は、副反応検討部会に対して定期的に報告を行っています。


例えば、厚生労働省は、本年4月15日に開催された第101回副反応検討部会に「資料3 HPVワクチンについて」1を提出し、「HPVワクチンの接種状況の推移②」(下記図1)のスライドに基づいて「接種の実数の増加に伴い副反応疑い報告の実数に関しても多少増えてございますが、一番下のグラフの割合で見ると、特に変化はなく推移しております。」2と口頭報告を行い、副反応検討部会の各委員からも、図 1の示す実数の変化等に基づいて副反応被害の増加を懸念する声が上がらないまま、その後も漫然とHPVワクチン接種の積極的勧奨を継続しています。


2 副反応疑い報告の実数が明らかに増大していることを踏まえた追跡調査が急務であること

しかしながら、副反応疑い報告の実数は、積極的な接種勧奨の再開に伴って明らかな増加傾向を示しており、製造販売業者からの報告(これらはいずれも重篤症例である)の実数(青実線)も、積極的勧奨が差し控えられた平成 25 年 6 月当時と同水準に達しています。

このように副反応疑い報告の実数が明らかに増加しているのですから、国は、少なくとも、そうした報告症例の具体的病状等についての追跡調査を実施し、副反応被害の実態を把握した上で、HPVワクチンの積極的勧奨の継続が許されるか否かを真摯に検討すべきであることは当然です。


3 非科学的な割合グラフは、HPVワクチンが安全であるかのような誤った印象をもたらす有害なものであり、その提示は撤回されるべきであること

(1)割合グラフの縦軸のスケールは明らかに粗大であり、本来あるべきワクチンの安全性を評価できるスケールが用いられていないこと

厚生労働省は、図1の割合グラフを提示し、割合グラフに変化がないことを理由として、HPVワクチンの安全性に問題がないかのように説明していますが、この割合グラフから、HPVワクチンの安全性を議論することはそもそも不可能です。

すなわち、一般に、ワクチン接種による重篤な副反応の割合は、100万回に1回から10回程度、すなわち 0.0001%~0.001%程度であるとされています。図1のように、縦軸を 0.00%~2.00%としたような粗大なスケールで割合を提示したとしても、HPVワクチンが、一般的なワクチンの重篤副反応の比率を上回っていないかどうかを判断することは極めて困難です。

実際にHPVワクチンの重篤副反応報告頻度は、他の定期接種ワクチンの 8 倍を超えると指摘されており4、そうした他の定期接種ワクチンとの比較が可能な情報こそ、副反応検討部会に提示されるべきです。


(2)割合グラフは副反応の発症時期と施設納入時期が対応しないことを無視したまま、「偽のピーク」を提示することによって誤った印象をもたらしていること

そもそもこの割合グラフは、副反応の発症時期と施設納入時期が対応しないにもかかわらず、あたかもこれが対応するかのような前提に立脚して作成されているという点で、全く無意味なものとなっています。


すなわち、割合グラフは、2ヶ月毎のHPVワクチンの医療施設への納入本数(施設納入数)を分母とし、その期間における副反応疑い報告数を分子として算出した割合をグラフ化したものとして作成されています。


しかし、施設納入時期は実際に接種に用いられた時期を示すものではない上、HPVワクチンによる重篤な副反応として生じる免疫介在性の神経障害の症状は、接種から1~2ヶ月で発症が確認できるものはむしろ稀であり、接種から数ヶ月以上後になって重篤な症状を呈することも少なくありません。しかもこうした症状を主訴として医療機関を受診し、さらには当該医療機関から副反応疑い報告がなされるまでには、さらなるタイムラグが生じています。


HPVワクチンによって生じる重篤な症状に関する副反応疑い報告がなされる時期は、医療施設への納入時期と対応するものではないにもかかわらず、あたかも接種時期と報告時期とが対応するかのような前提に立った割合グラフを用いることには、実際の副反応疑い報告の推移を把握する上で、何ら科学的意味を見出すことはできません。


このように、副反応の発症時期と施設納入時期が対応しないという事実を無視したまま作成された割合グラフには、2015(平成27)年4月ころから2017(平成29)年12月ころにかけて、施設納入本数に対して 0.5~2.0%程度の副反応疑い報告がなされたとするピークが形成されています(図2)。しかし接種の積極的勧奨が一旦差し控えられた後の時期にHPVワクチンの副反応被害発生率が急激に上昇したというような事実はなく、全く実態を反映したものではありません。


このように割合グラフ上において、事実を反映しない「ピーク」が形成されているのは、単に積極的接種勧奨が一旦差し控えられて施設納入本数が激減した時期(図3)、すなわち割合を計算する際の分母が著しく小さくなった時期に、定期接種化以前に実施されたHPVワクチン接種緊急促進事業で接種を受けた女性らの重篤な副反応被害が遅れて報告されたことによるものにすぎません。


このような「偽のピーク」が形成された割合グラフを提示することは、現在の副反応疑いの報告割合が、この「偽のピーク」の時期と比べて著しく低くなっているかのような印象をもたらし、積極的接種勧奨再開後に副反応疑い報告の実数が再び増加していることを覆い隠すものとなっており、極めて有害です。

このような無意味かつ有害な「割合グラフ」の提示は直ちに撤回されるべきです。

以上


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