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京都ALS嘱託殺人事件と、自己決定による死の後にくるもの

執筆者の写真: 林田医療裁判林田医療裁判

臓器移植法を問い直す市民ネットワークは2025年2月8日(土)午後2時から4時40分まで第21回市民講座「京都ALS嘱託殺人事件と、自己決定による死の後にくるもの」を開催します。講師は渡邉 琢さん(わたなべ たく、日本自立生活センター事務局員、介助者、介助コーディネーター)です。

※琢の字は正式には「つくり」に点の入る12画のJIS第3水準の漢字です。


会場は東京都江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階 第1・第2研修室です。亀戸文化センターはJR総武線亀戸駅北口下車徒歩2分にあります。会場参加の方は、直接、会場にお越しください。資料代は会場でお支払いください。


市民講座はオンライン(zoom)配信もします。オンライン(zoom)をご希望の方は、申し込みフォームより申込みの上、フォーム記載の口座に資料代500円の振り込みをお願いします。オンライン参加のお申込み期限は2025年2月7日(金)の午前中12時までです。


 2024年3月5日、京都地裁は、ALSを患う女性・林 優里さんを本人の依頼だと薬物を投与して殺害した医師・大久保愉一被告に対して18年の実刑判決を言い渡しました。この裁判では、5年前(2019年11月30日)に引き起こされた殺人事件だけでなく、精神病患者であった山本直樹被告の父親を、大久保と山本母子の3人で共謀して殺害した10年前の事件など3件の罪が問われました。

 第21回市民講座では、「京都ALS嘱託殺人事件と、自己決定による死の後にくるもの」と題して、この裁判をかかさず傍聴されてきた日本自立生活センターの渡邉 ?さんにお話ししていただきます。

 渡邉 琢さんは、介助者・支援者という立場から、障害者の自立生活運動の課題を幅広く考察しておられます。この間、雑誌『世界』に多くの論考を発表され、注目されている方です。

 2024年10月に行われた総選挙の討論会で国民民主党の玉木代表が、“若者が負担する保険料を下げるために、尊厳死法制化を含む終末期医療の見直しに踏み込む。それは消費を活性化し好循環と賃金上昇を促す”と発言し、多くの疑問と批判が出されています。

 高齢者・障害者・病者は「社会のお荷物」と生きていてはいけないかのような風潮が強まっています。 映画『プラン75』に描かれた制度が法制化され、同調圧力で死へと誘われる、「自己決定」させられる時代がもうそこに迫っているかのようです。

 林 優里さんの父親は、「ALS患者が娘のように『他人によって生かされている』とめげてしまわないよう、介助や介護の体制をもっとよくすることにつながってほしいです」と訴えたと、報道されています。

 誰がいつどんな難病に罹患するか、障害を負うか、これは私たち全ての人に起き得ることです。「尊厳死、安楽死」といった、各人の意思に基づく「自己決定」とされる死が、どういう事態を引き起こすのか、講師・渡邉さんのお話を傾聴したいと思います。是非ご参加下さい。  


【講師プロフィール】  渡邉 琢 (わたなべ たく) さん

 1975年生まれ。日本自立生活センター事務局員、介助者、介助コーディネーター。知的障害者の当事者団体ピープルファースト京都支援者。近刊に『障害者の傷、介助者の痛み』(青土社、2018年)。

 近年、雑誌『世界』(岩波書店)に、「トラウマ、死の刻印、安楽死希求――障害者運動と安楽死を望む声の対立をめぐって」、「安楽死は自殺問題の解決なのか――障害者運動と安楽死を望む声の対立をめぐって(続)」、「『ALS嘱託殺人』と隠蔽されたもうひとつの事件(前・後篇)」などを寄稿している。


【講演概要】

 ALS嘱託殺人事件の大久保被告に対して懲役18 年の判決が出されたことが多くのメディアでとりあげられました。一部、嘱託殺人なのに罪が重すぎるのではないか、という意見もありました。

 しかし、大久保被告が、知り合いの山本母子と共謀して、精神障害のある山本父の殺害計画に関わっていたことはあまり注目されません。迷惑をかけ社会のお荷物である老人や障害者は早く死なせるのが正しいといった考えのもとにその殺害は実行されました。そんな大久保被告が、ALS 患者の林優里さんも手にかけ、患者をろくに診察もせず、初対面わずか 15 分でやすやすと殺害しました。

 それらの事件あわせて懲役18年の判決でした。

 それにもかかわらずインターネット上では、大久保は患者の願う安楽死を叶えてあげたのだから称賛に値する、減刑するべき、というような意見が数多く投稿されます。まず、きちんと、ALS嘱託殺人事件以前に大久保被告の犯行の全容を理解する必要があります。

 今回の報告では、大久保被告がどのような背景や前科のもとにALS患者の嘱託殺人を犯したのかをまずお伝えします。

 その後、大久保被告の犯罪を肯定する人たちの「自己決定による死」の肯定が、次いでどのような事態を引き起こすかについて、ぼくなりの考えをお伝えしたいと思います。


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