立正佼成会附属佼成病院へ57回目の公開質問状を送付しました。
今回は既に送付しました公開質問状(52)に続いて「命は誰のものか」を議論しました。
ご覧いただければ幸いです。
We sent our 57th Open Questionnaire to Rissho Kosei-kai Annex Kosei-Hospital.
This time we discussed "Whose property is your life?" following the previous Open Letter 52nd.
We hope you will find the information useful.
立正佼成会附属佼成病院 病院長 市村正一 様
公 開 質 問 状(57) 2023年10月12日
秋が来ました。院長先生にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって57回目の公開質問状をご送付致します。
2023年5月14日、臓器移植法を問い直す市民ネットワークは、第18回市民講座〈命は誰のものか〉を東京都江東区亀戸で開催され、日本生命倫理学会会長の香川知晶さんが「命は誰のものか―ACPをめぐって」を講演されました。既に公開質問状(52)で紹介しておりますが、その講演録が8月に届きましたので再度学習致しました。そして、私達は、林田医療裁判を経験し、その経緯を知った者として「命は誰のものか」について議論しました。
佼成病院では、患者の長男が治療を拒否したその日に治療をやめました。結果、患者は、呼吸困難になるも長男が酸素吸入を拒否したら担当された岩﨑医師は、応じて患者に自力呼吸をさせました。岩﨑医師は、自身の理念で患者本人の意思確認をしませんでした。また、他の家族ら複数人で協議・説明もなく患者の意思を推測することもありませんでした。
患者は、苦しそうに一生懸命呼吸をしていました。でも佼成病院は、夜間だけ酸素マスクを付けて朝になると外していました。その理由を佼成病院は、「もとより、酸素があるほうが本人は楽であろうが・・」と述べ、夜間に患者の呼吸が止まると夜間は手薄であり、家族にアタフタさせないように「夜間に呼吸が止まらないようにするものである」と説明されました。
また、岩﨑医師は、意思疎通が出来ないのに命を長らえても最善とはいえない、など自身の考えを長男に述べられました。そして、長男の治療拒否について、長男が岩﨑医師の理念を踏まえて選択した、と陳述されました(公開質問状(50))。結局、長男の治療拒否に従った岩﨑医師は、喘いでいる患者の面前で「苦しそうに見えますが今お花畑です」と述べるだけでした。医師より治療方針変更・中止の協議・説明・確認を受けていない他の家族らは最善の医療がつくされている、と信じていました。
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医師が患者の治療方針を決定する際、患者自身の意思確認を行わなかったことは大きな問題です。患者は自分の医療ケアについての意思決定の機会を与えられなかったため、個人の自己決定権が侵害されたと言えます。医療において、患者の意思を尊重し、患者が治療の方向を決定できる権利が重要なのです。
佼成病院では、医師一人の理念と長男一人の要望で患者の死が決められましたが、これは問題であると考えます。仮にも生死をわける治療方針においては、患者自身が治療の方向を決定できるような説明を受けることが重要です。合わせて、家族らや他の医療者の意見を聞くことも大事です。複数人で患者の意思を推測するなど患者の幸せを協議していれば違う意見も出たことでしょう。
この問題は、医療倫理の観点からも問題があります。医療の倫理的原則には、「患者の自己決定権の尊重」や「最善の医療を提供する責任」が含まれています。佼成病院が患者の意思を無視し、医師の個人的な理念に基づいて治療を行ったことは、これらの原則に反する行為です。患者の健康と福祉を最優先に考えることが医療の中心的な原則であり、それを無視することは許容されません。
問題解決としては、医療倫理と患者の権利に関する議論が不可欠であると考えます。そして、適切な医療ケアと患者の自己決定権を尊重するために改善が必要です。治療方針の決定において、患者と家族との協力とコミュニケーションが促進され、倫理的な原則が厳守されるべきです。
以上のように私達は、人として一番大事な「命は誰のものか」を真剣に考えました。そして公開質問状(57)をお送り致します。この質問状は、ネット上に公開し市民と共に議論を深め開かれた医療を進めるための一助にしたいと考えます。いつものように第1回公開質問状を以下に記載いたします。ご回答を郵送にてお寄せ下さい。
草々
公開質問状本文は下記にあります。
公開質問状52 Advance Care Planning
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