参議院選挙茨城選挙区候補者への公開質問状
- 林田医療裁判
- 2 日前
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「水と緑のまち 牛久を守る会」は参議院選挙茨城選挙区候補者に公開質問状を送付しました。回答は「関東平野を、霞ヶ浦水源を守ろう!茨城県牛久市の小学生たちが泥だらけになりながら長年守り続けた湧水地をメガソーラーの森林伐採から守りたい。」に公開されています。
茨城県のシンボルと言える霞ヶ浦に関する政策課題についてのあなたの見解をお尋ねします。
説明1:
霞ヶ浦流域に占める森林面積は2割程度しかなく、湖の健全な水循環を維持する上で、これ以上の森林減少を防ぐ必要があります。
ところが、近年、流域内では、太陽光発電施設の設置等によって、森林破壊が急激に進行しています。
中には、20年以上地元の小学生が保全活動に取り組んできた霞ヶ浦水源地で建設が進められている例(牛久市)もあります。
太陽光発電業者は地元説明会において、「茨城県には平坦地が多く、太陽光発電所建設に適しているので貴重である」「森林であれば発電所設置のための面積が確保できる」と発言しています。
今、霞ヶ浦流域を始めとした茨城県内の森林は太陽光発電業者に狙われています。
環境や健康への影響を心配して、各地で多くの住民が声をあげています。
しかし、現在の法律や条例やガイドラインなどでは、この状況を改善したり食い止めたりする事はできていません。
(質問1)太陽光発電事業に関する国の法律やガイドラインについて、上記の状況を踏まえて見直す必要があるとお考えでしょうか。
説明2:
霞ヶ浦と海とのつながりを遮断する形で建設された常陸川水門(逆水門)は、1974年以来、湖から海への順流放流のみになっていて、海から湖へのウナギなどの移動が困難な状況が継続しています。魚道が設置されましたが、シラスウナギなどは湖に遡上できていません。
かつて霞ヶ浦は日本最大の天然ウナギ産地でした。霞ヶ浦における天然ウナギの復活は、枯渇が危惧されているウナギ資源の復活にも繋がり、その波及効果は全国に及びます。
逆水門建設当時は、生物多様性などへの配慮はありませんでしたが、その後時代は大きく変化しています。
アサザ基金では、海側から湖に魚類が遡上できて塩害の生じない方法による逆水門の柔軟運用の提案を国に行い、これまでに土浦市議会やつくば市議会、茨城県市議会議長会などにおいて全会一致で採択をしていただいています。(詳しくは、当基金のHP www.asaza.jpをご参照ください
(質問2)時代の変化に対応して、逆水門の運用を、ウナギなどの魚類の移動に配慮した柔軟な運用に転換すべきだと考えますが、あなたの見解をお示しください。
説明3:
1996年以来、霞ヶ浦では水利用を目的に湖の水位管理が実施されています。この水位管理は、それまで自然のリズム(季節変化)に合わせて起きていた水位変化とは反対の水位変化を湖に引き起こしています。
特に、かつては水位が低下傾向にあった冬期に水位を上昇させている現在の管理では、冬の季節風によって起きる波浪と水位上昇の相乗効果で岸辺の植生帯の侵食が著しく進み、湖の生態系に大きな影響を与え続けています。
湖岸沿いに生育していたヨシやアサザは壊滅状態になっています。国定公園であるにも関わらず、自然景観の破壊が年々進行しています。
水位上昇管理に伴う波浪侵食の増大は、湖岸に設置されている堤防にも侵食作用を及ぼしているため、国土交通省は湖岸に沿って離岸堤の設置を行っています。しかし、離岸堤の設置によって水流が遮断され湖水が滞り、水質を悪化させたり、ヘドロの堆積が進んだり、静穏域を好む外来の水草が大繁殖するなどの問題を引き起こしています。
離岸堤そのものが、ワカサギなどの散乱場所や稚魚の生育環境を破壊していることも問題です。
(質問3)1950年代の高度成長期に計画された霞ヶ浦開発事業に基づく水需要予測が、時代の変化にはそぐわなくなっていることは明らかです。
人口減少などの時代の変化に合わせ、また生物多様性保全やウナギなどの水産資源保護などの時代の要請に応える形で、霞ヶ浦の水位管理を見直す必要があると考えますか。

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