立正佼成会附属佼成病院へ、高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって52回目の公開質問状を送付しました。
2023年5月14日、臓器移植法を問い直すネットワーク市民講座 日本生命倫理学会会長 香川千晶さん講演「命は誰のものかー ACPをめぐって」に参加しました。その内容に触れています。添付しましたのでご覧いただければ幸いです。
公開質問状(52) 2023年5月16日
前略
高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって52回目の公開質問状をご送付致します。
臓器移植法を問い直す市民ネットワークは、2023年5月14日(日)に第18回市民講座〈命は誰のものか〉を東京都江東区亀戸で開催しました。日本生命倫理学会会長の香川知晶さんが「命は誰のものか―ACPをめぐって」を講演しました。日本におけるACPの実情や問題点の解説です。ACP; Advance Care Planningは、生命倫理の考え方からすると良いもののように聞こえます。しかし、現実には強いられた自己決定が出てきます。
日本では、最終的な医療・ケアに何を選択するかの議論に終始し、人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境作りの議論が等閑にされる傾向があります。厚生労働省がACPの愛称を人生会議としたことにも問題があります。ACPは計画(Planning)であり、計画を立てることが目的です。ところが、人生会議としたために会議をすることが目的化してしまいます。
人生会議には、安楽死に誘導する側面も考えられます。現実に経済学者の成田悠輔氏は、高齢者の集団自殺が日本の高齢化社会の解決策であると語りました。話題になったディストピア映画『PLAN75』が現実味を帯びてきます。日本では、新型コロナウイルスのトリアージも本人の意思が便利に使われています。自己決定の名目で権利の無視であることが分からないようにしています。
以下は感想です。ACPを良いものに見えるとの指摘は正しいでしょう。現実の日本の医療はACP以前の実態があります。
林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償請求控訴事件)では、患者の長男が延命につながる治療を全て拒否し、それで治療方針が決められ、高齢女性患者は死ぬことになりました。医師と家族らとの協議もなく同意書もありませんでした。ここでは、ACPの要求するプロセスも経ていないのです。
治療を中止すれば、患者は死ぬのですがその決定について病院長には報告されるのでしょうか? 病院長は許可をしたのでしょうか? 疑問ですので医療機関としてのご意見をお伺いしたいと思います。
私達は、林田医療裁判を経験し、その経緯を知った者として、患者の安全と幸せを探求します。この質問状は、ご回答の有無に関わらずネット上に公開して市民と共に議論を交わし適切な医療を進めるための一助にしたいと考えます。いつものように第1回公開質問状(2019年6月30日送付)を以下に掲載いたしますのでご回答を郵送にてお願い致します。
草々
公開質問状本文は下記にあります。
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