林田医療裁判の公開質問状84患者のみかた
- 林田医療裁判

- 2 分前
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暖かい日が続いています。皆様お変わりないでしょうか。
杏林大学医学部付属杉並病院へ今年になって初めての公開質問状(84)を送付致しました。
1月17日、NHKエンタープライズとNHK文化センター主催「患者のみかた~あなたにとって納得できる医療とは~」が開催されました。
私達が安全で納得のいく医療を受けるために何を求めるべきか、改めて考えるきっかけとなりました。ご覧いただければ幸いです。
杏林大学医学部付属杉並病院 病院長 市村正一 様
公 開 質 問 状(84)2026年1月19日
拝啓
いくらか日の出が早くなりました。どんなに寒くても春はもうそこまで来ているのを感じます。今年初めての公開質問状(84)をご送付致します。今年もよろしくお願い致します。
2026年1月17日に市民公開講座 医療事故調査制度施行10年「患者のみかた~あなたにとって納得できる医療とは~」が東京都千代田区の千代田放送会館で開催されました。林田医療裁判を考える会からも参加し、医療消費者として、私たちが安全で納得のいく医療を受けるために何を求めるべきか、改めて考えるきっかけとなりました。
●豪華な登壇者と協力体制
司会は、元NHKエグゼクティブアナウンサーの三宅民夫さん(元NHKエグゼクティブアナウンサー、立命館大学 衣笠総合研究機構 客員研究員)が務め、以下の3名の専門家がパネリストとして登壇しました。
田中和美さん(群馬大学医学部 医療の質・安全学分野教授)
豊田郁子さん(イムスリハビリテーションセンター 東京葛飾病院 医療対話推進者)
木村壯介さん(一般社団法人日本医療安全調査機構 常務理事)
本イベントはNHKエンタープライズとNHK文化センターが主催し、医療事故調査・支援センター(一般社団法人 日本医療安全調査機構)が共催。さらに日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、日本助産師会という主要な医療団体が後援し、読売新聞社が協力するという、まさに医療界全体で「患者の納得」に向き合う盤石な体制で開催されました。
●納得できる医療とは?
冒頭で参加者のリアルタイム投票が実施されました。「あなたにとって納得できる医療とは」の質問に以下の選択肢から回答しました。
(1) 主治医にお任せできる
(2) 相談にのってくれる
(3) 診断と治療が早い
(4) 安全でミスのない
最も多かった回答は「安全でミスのない医療」でした。次いで「相談にのってくれる医療」が多くの票を集めました。これは、多くの患者が医療に対して抱く切実な願いを浮き彫りにしています。
患者が医療に「安全」と「相談しやすさ」を求めていることは、情報開示や説明責任の不足への不信感の裏返しです。命に関わる医療だからこそ、万が一のことがないよう最大限の安全性を求めています。また、不安な気持ちを打ち明け、共に考える医療者を求めていることが伺えます。
パネリストの一人である豊田郁子さんは、幼少のご子息を医療事故で亡くされました。当初、病院からの説明は「最善を尽くした」というものだけでした。しかし、その後、適切な治療機会を逃していたことが判明しました。豊田さんの事例は、医療事故が起きた際に患者や家族が直面する絶望や、病院側の不十分な対応がいかに深い傷を残すかを物語っています。
医療事故に遭った時、患者やその家族が最も求めているのは、「何が起きたのか知りたい」「原因を調べてほしい」「家族の気持ちを知ってほしい」「同じ事故を繰り返さないでほしい」という、シンプルでありながら切実な願いです。しかし、現実には適切な情報開示や対話がされないことも少なくないのです。
医療事故調査制度は、このような痛ましい経験を繰り返さないために、医療事故が発生した医療機関で事故原因を調査し、再発防止に繋げることを目的とした制度です。民間の第三者機関である「医療事故調査・支援センター」が、医療機関からの報告を収集・分析し、医療の安全確保に貢献します。2014年6月18日に成立した医療法の改正に盛り込まれた制度で、2015年10月1日に施行されました。
外国には第三者が調査する制度がありますが、日本の医療事故調査制度は病院が調査する仕組みです。この仕組みには肯定面と否定面があります。
肯定面は警察権力などの介入を避け、プロフェッショナルの自律性を保つことです。
否定面は「その事故を調査するかどうかを決めるのが病院側である」点です。病院が「これは調査の対象ではない」と判断してしまうと、調査すらされません。プロフェッショナルの自律性は、講座で取り上げられた群大病院らを基準とすれば理解できますが、日本の全ての医療機関がそれに値するかは疑問なしとしません。
●共同意思決定
参加者のリアルタイム投票では「共同意思決定(シェアード・ディシジョンメイキング)をどう思うか」との質問が投げかけられました。回答選択肢は以下です。
(1) 大いに進めるべき
(2) 難しいと思う
(3) 状況によると思う
(4) わからない
回答最多は「大いに進めるべき」で50.1%と半数以上。次点は「状況によると思う」で44.2%でした。この結果から、多くの患者が医療者と一緒に治療方針を決めたいという強い願いを抱いていることが理解できます。
但し、「状況によると思う」の回答者からは、「病院側の人手不足」を懸念する声も上がりました。医師や看護師の多忙な現状を考えると、じっくり話し合う時間を確保することは難しいと感じるかもしれません。
この人手不足の課題に対し、パネリストの田中さんは「働き方改革を進めるからやらないとはしたくない」と強く述べられました。医療従事者以外のスタッフが可能な業務を分担することで、医療従事者一人ひとりの負担を減らし、患者との対話の時間を確保していく意向を示されました。
多職種のチーム医療は林田医療裁判の課題でもあります。林田医療裁判を取り上げたシンポジウムでは以下の意見が出されました。
「現在のポイントとしては多職種が関わったかというのが非常に大事で、そうすれば医師が気付かないところも看護師さんならば常日頃家族とも会っていますし、そういうことが分かっていた可能性もあるということで、やはりここから見えてくるのは医師が1人で決めているような書き方なので、この事例はそこが欠けているのではないかなと思います」(「第12回 医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」判例タイムズ1475号14頁以下)
市民公開講座は、医療事故調査制度が施行10年を迎える中、医療の安全と患者の権利について改めて考える貴重な機会でありました。私たち一人ひとりが医療消費者として、自身の医療、そして大切な人の医療に積極的に関心を持ち、もしもの時には声を上げて疑問を呈することの重要性を教えてくれました。
この質問状はネット上に公開し市民と共に議論を深め学習致します。いつものように第1回公開質問状を以下に記載します。
寒い日が続きますがくれぐれもご自愛ください。
敬具
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公 開 質 問 状(2019年6月30日 第1回)
第1 質問事項
1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。
2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。
3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。
第2 質問の趣旨
1 林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。
2 そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。
3 従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。
以上




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