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執筆者の写真林田医療裁判

外環道・調布市「個人情報漏えい」についての申入書

調布市は外環道についての情報公開請求者の個人情報を繰り返し漏洩した。情報漏洩の被害者は2021年12月27日付で「「個人情報漏えい」についての申入書」を長友貴樹調布市長に出した。問題の隠蔽や矮小化をせずに徹底究明を調布市に要求している。


この問題では既に外環ネットや東京外環道訴訟原告団・弁護団ら14団体が「調布市役所の「情報公開請求書横流し」に抗議し、真相究明を求める公開質問状」を出している。


調布市は外環ネットらの公開質問状に回答を出している(3調都街発第2610003号「2021年11月16日付け公開質問状の回答について」2021年12月17日)。


「「個人情報漏えい」についての申入書」は回答に対する再質問という面がある。公開質問状は社会問題に対する有効なアプローチであるが、セレモニー化してしまうならばつまらない。繰り返すことには価値がある。#林田医療裁判 (平成26年(ワ)第25447号損害賠償事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償事件)を踏まえた公開質問状は2022年12月5日までに35回出した。


個人情報漏洩の被害者らは2021年11月30日に調布市長に面談を要求し、12月27日16時から20分だけ面談が実現した。市側は市長と副市長2名、被害者側は被害者本人と外環ネットら市民団体メンバー5名が面談した。「「個人情報漏えい」についての申入書」は面談で確認する内容の事前資料になる。対面の打ち合わせで有耶無耶にしないための工夫である。


調布市の説明には既に「調布市として市民の権利を擁護するより、国交省やNEXCOの利益を擁護するための便宜を図っているように見える」との疑問が出されている(三木由希子「情報公開請求は特別なこと?調布市個人情報漏洩問題から考える」)。


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(1)調布市長長友貴樹様から私宛の文書「個人情報漏えいについてお詫びと御報告」(3調都街発第 2240002 号 令和3年11月10日)とその後の一連の経過について、私の見解を述べ、真相の徹底解明と厳正な処分と再発防止策を求めます。

この件を、以下「個人情報漏洩」、「情報公開請求書横流し」「問題(事件、スキャンダル)」などと表現します。


(2)私宛に通報があり、市長が問題を認識してからすでに2か月近くが経過しているにもかかわらず、問題の全容がほとんど明らかにされていません。これまでの経過を振り返ると、市のホームページに掲載された「個人情報の漏えいに関するお詫びと御報告」(11月10日)及び「(11 月 25 日発表)令和 3 年第 4 回定例記者会見」(11月26日)の内容、並びに「令和 3 年第 4 回調布市議会定例会(11月30日~12月16日)の審議における市長の発言に大変違和感を覚えます。


単純ミスとするためのいくつかの不自然な自己弁護の言い訳や責任転嫁だけでなく、根拠もなく、証拠もなく、「しかし、繰り返し申し上げますが、不適切な取り扱いについては重ねてお詫び申し上げるものの、当初より組織として、本件に対し何らかの意図をもって対処しようとしたことは断じてありません。組織の代表として、このことに関しては改めて明確に申し上げるとともに、ご理解いただきたく存じます。」(11/25 記者会見)と発言すればするほど、調布市は、調布市都市整備部街づくり事業課の職員(2名とのこと)だけかもしれないこの問題を、街づくり事業課や都市整備部のレベルでもなく、市長以下の調布市全体レベルで、隠蔽・矮小化工作を行っていると受け取らざるを得なくなっています。このような発言は、この事件の真相究明において百害あって一利なしであることは、森友事件の赤木氏の悲劇が物語っています。また、「(適切に行えば)地表に影響は及ばない」という安全神話が外環道の陥没事故を起こしたことを想起させます。適時適正に行いますと言ってできることとできないことがあります。


簡潔にまとめると、第1の問題は個人か課レベル程度かもしれない「個人情報漏洩」問題、第2の問題は調布市全体の「情報隠蔽・矮小化工作」、この2つがあります。


また、別の視点では、「外環事業に関する事業者と調布市の関係」の問題と市政運営一般(公文書管理、情報公開、個人情報)の問題を切り分ける必要があります。これは、「情報隠蔽・矮小化工作」に関わっています。


さらに、全体のベースにある問題は、市政全体のガバナンス、マネージメント、組織・人事の問題(「劣化」)です。

なお、以上に指摘した根本的な問題の詳細を20分の話合いの中で具体的に説明できないのは残念です。

(3)外環ネット他宛の「2021年11月16日付公開質問状の回答について」(3調都街発2610003号 令和3年12月17日付)についての疑問。

1)「1 本事案は、市政情報公開請求の対象となった文書等に、市以外の外部機関が作成した資料が含まれていたことから、調布市情報公開条例(以下「条例」という)第7条に規定する非公開情報に該当するものがあるかその取扱いに当該外部機関に確認したものです。その際に「市政情報公開請求書」に記載された請求者の個人情報にマスキングを施すことを怠り、外部機関へ送付していたものです。」については、大きな疑問があります。とにかく、情報公開の運営についての知識が欠如していると思われる文章です。


「市以外の外部機関が作成した資料が含まれていた」ならば、「市政情報公開請求書」を送付する意味は何なのか、相手に何を求め、相手から何を求めるためのものか、明らかにしてください。送付する意味は全くないはずです。


「市以外の外部機関が作成した資料が含まれていた」という判断は、請求書受け取り後、誰がいつどのようにされましたか。また、外部機関に請求書の写しと確認のための市以外の外部機関が作成した資料をいつ連絡・送付等されましたか?また、その回答はいつどのように得られましたか?


なお、都市整備部道路管理課では、マスキングした該当文書と送付したメールが残されています。


2)「令和2年4月から令和3年10月末日までの間の市政情報公開請求181件のうち、外部機関に確認を行った事例は、都市整備部以外では2件あり、・・」について、都市整備部内の課ごと(街づくり事業課、道路管理課など)の内訳を示してください。

今回改めて以下の項目を申し入れます。


3)「3 ・・・・日々の業務を行うなかで、個人情報保護への職員の意識が希薄であったことによるミスであり、」とありますが、とてもそうは思えません。なぜならば、情報公開請求で最も注意を払われていることは、公開情報に含まれている個人情報をマスキングすることであり、そのために期間延長をされています。


4)続けて「3 ・・・・、上司もそのチェックを怠っていたために発生したもので、」とありますが、メール送付にあたってどのような決裁等の手続きを行うべきものですか?


5)「5・・・本件電子メールについては、メールボックスの関係から削除しております。」とありますが、公文書管理の観点からは、印刷してハードコピーとして残すべきものではありませんか?


(4)まとめ

これまでの経緯からは、ほとんど疑問が解けていないどころか、謎は深まるばかりです。

本日(2021年12月27日)開催される令和 3 年度第 4 回調布市情報公開審査会において「市政情報公開手続における個人情報の不適切な取扱いについて」審査されますが、問題の全体像に迫れるとは思えません。


私が、この問題の解明のために行った11月からの10数件の情報公開請求に対する決定もほとんどされていません。


そこで以下について、お尋ねし、また、申し入れます。本日の話し合いのなかでお答えいただければ幸いです。

1.この問題をどれほど深刻で重要な問題ととらえているか?

2.市の外部機関による調査の必要性を感じないか?

3.真相究明のために、調査結果を逐次、被害者本人、関係者、広く社会に公表すること

4.本日12月27日の話し合いのフォローについて(積み残し事項等)

5.責任の取り方、出処進退や厳正な処分についての考えについて

以上



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