top of page
執筆者の写真林田医療裁判

公開質問状35医療基本法制定

12月に入り寒くなってきましたがお変わりないでしょうか。

立正佼成会附属佼成病院へ2021年12月5日に35回目の #公開質問状 を送付致しました。

We sent our 35th #OpenQuestionnaire to Rissho Kosei-kai affiliated Kosei Hospital on December 5, 2021.

今回は、臓器移植法を問い直す市民ネットワーク第17回市民講座「加速していく命の線引きと切り捨て――安楽死・『無益な治療』論・臓器移植のつながり」と医療基本法制定に向けたシンポジウム「医療基本法と患者・医療従事者の権利~コロナ禍の日本で、明日の医療を考える~」を取り上げます。


2021年11月6日ジャーナリスト児玉真美さん(著書「死の自己決定権の行方」など)の講演に参加しました。児玉さんの講演では、医師の個人的価値観が安楽死の実施に影響しているとの指摘がありました。


また同年11月13日、シンポジウム「医療基本法と患者・医療従事者の権利~コロナ禍の日本で、明日の医療を考える~」がオンライン開催されました。基調講演は、内田博文・九州大学名誉教授(『日本の医事法と患者・医療者の権利』著書)に参加しました。内田さんは、まとめとして「患者の権利を守ることが医療従事者の権利を守ることになる」と語られました。


以上の講演内容に基づいて今回の公開質問状を作成しました。

佼成病院からは一度も返事は来ませんが、開かれた医療を進める為には人々の意識を高めることが不可欠です。これからも続きますので来年も宜しくお願い致します。


安楽死を正当化するよりどころは個人の自己決定です。医師の方から提案すれば誘導された自己決定になり得る、ということも書きました。こちらも真剣に議論して頂きたいと考えます。


久保帯人原作、成田良悟著『BLEACH Can't Fear Your Own World I』(集英社、2017年)三章には「人に死んで欲しいなんて思う人は四番隊にはいちゃいけないんです」との台詞があります。四番隊は治療を専門とする部隊であります。医療重視者の本質を突いています。死なせるという行為が医療の本質から外れることを突いています。


なお関連訴訟として #さいたま地裁で #中野相続裁判 があります。

次回第22回期日は、長女の当事者尋問を50分致します。権利濫用についてお話します。お時間のある方は傍聴お願いします。

2022年1月28日(金)1時半 さいたま地方裁判所C棟 105法廷(1階)


立正佼成会附属佼成病院 病院長 甲能直幸 様

公 開 質 問 状(35) 令和3年12月5日


 前略

2021年11月6日、臓器移植法を問い直す市民ネットワーク第17回市民講座をオンライン開催しました。児玉真美さんが「加速していく命の線引き切り捨て――安楽死・『無益な治療』論・臓器移植のつながり」と題して講演されました。林田医療裁判を考える会からも参加しました。


安楽死を制度として認める地域がありますが、要件を定めて認めても加速度的に緩くなっていく。医師から安楽死を提案することが許容された地域がある。これは教唆になるのではないか。医師の個人的な価値観が安楽死の実施に影響しているとの指摘がありました。


これは林田医療裁判の立場からも重要に感じます。

林田医療裁判では、患者の長男が延命につながる治療を全て拒否しました。これについて主治医である岩﨑正知医師は、「カルテ記載内容の補足として、私は、大事を取りすぎて、意思疎通ができないまま寝たきり状態になるのが最善とは言えない、という主治医の理念をわきまえた上での延命治療拒否だと思いました」と陳述しました(乙A第3号証「岩﨑正知医師陳述書」8頁)。


また岩﨑医師は、自身の母親を介護した経験から「あの時の介護は地獄のようだった」、と長男に話されたということです。


安楽死を正当化する拠り所は個人の自己決定です。医師の方から提案するならば、誘導された自己決定になり得る、ということです。


2021年11月13日、患者の権利法をつくる会や患者の声協議会が医療基本法制定に向けたシンポジウムをオンライン開催しました。タイトルは「医療基本法と患者・医療従事者の権利~コロナ禍の日本で、明日の医療を考える~」。林田医療裁判を考える会も参加しました。


基調講演は内田博文・九州大学名誉教授・国立ハンセン病資料館館長。内田さんは『日本の医事法と患者・医療者の権利』の著者。日本には医療のめざすべき指針を定めた医療基本法が存在しない。医事法は国家統制の上意下達であり、それでは国民の生命も医療者の職も守れない。患者の権利を中核にした医療基本法の制定が望まれる、などお話しされました。


また内田さんは、日本では医療従事者にはパターナリズム、患者側にはお任せ医療の意識が強いと指摘されました。ここは同感です。本人の同意が求められるようにはなりましたが、医療側がやりたいことを押し付け、何かあった場合の責任を逃れるためのアリバイ作りとして行われがちであるところに問題があります。


林田医療裁判を考える会は以下の質問をしました。

「医療現場では病院側は契約手続きの便宜から患者の家族の一人をキーパーソンとして、本人が高齢者などでコミュニケーションが難しい場合にキーパーソンとだけ話を進める傾向がみられます。キーパーソンの意向で治療をしないようなことも起こります。このような場合を医療基本法はどのような論理で抑制できますか」。


これに対して「キーパーソンが患者の利益を真に代弁できるかが問題になると思います」との回答がなされました。これは、2019年10月9日東京地方裁判所で開催され林田医療裁判を取り上げた「第12回『医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム』」でもキーパーソンを同居している長男と安易に決めた点に問題があったとの意見が出ています(公開質問状(10)参照)。


医療基本法と患者・医療従事者の権利~シンポジウムのまとめとして「患者の権利を守ることが医療従事者の権利を守ることになる」と語られたことをご報告致します。


また、患者の権利と医療従事者の労働者としての権利は重なります。一方が損なわれていれば往々にして他方も損なわれます。林田医療裁判の起きた佼成病院では小児科医の過労自殺が起きました。小児科医が病院屋上から飛び降りて亡くなりました。佼成病院は杏林学園教育関連施設ですが、杏林大学医学部付属病院では約15人の医師が過労死ラインの月80時間超の残業をし、残業代を未払いでした(「杏林大、医師に長時間労働 労基署勧告」日本経済新聞2018年1月20日)。


公開質問状(34)では公立福生病院の透析中止裁判を取り上げました。この公立福生病院では事務職員が上司の男性事務次長から「何一つできもしない一番程度の低い人間」「ばかやろう」「生きている価値なんかない」「うそつきと言い訳の塊」などと長時間に渡って罵倒されるパワハラを受けました「公立福生病院パワハラ訴訟 企業団に200万円賠償命令 「著しい人格否定」地裁立川支部判決」毎日新聞2020年7月2日)。


 このように病院の内部に問題を抱えているとしわ寄せが患者に行くことが予測されます。故に患者の権利を守ることが医療従事者の権利を守ることに繋がります。そのためには、議論を深めることが不可欠であると考えます。いつものように未回答になっています公開質問状の1回目を下記に掲載いたします。また、公開質問状(25)では反延命主義について医療機関としての見解をお尋ねしました。公開質問状(27)では、杉並区長の「トリアージ発言」について杉並区の医療機関としてのご意見をお尋ねしました。合わせてご回答ください。この質問状は、ご回答の有無に関わらずネット上に掲載し皆様と共に学習致します。

草々


公開質問状本文は下記にあります。




閲覧数:70回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page