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  • 執筆者の写真林田医療裁判

林田医療裁判の公開質問状五周年を迎えて

林田医療裁判の公開質問状が2024年6月に五周年を迎え、六年目に入ります。この節目に際し、過去を振り返り、今後の医療と患者の権利について考える機会とします。

※2022年6月18日の公開質問状41のタイトルを四周年としましたが、四年目(三周年)が正しいです。

June 2024 marks the fifth anniversary of Public Inquiry Letter about Hayashida Medical Trial. We will be entering our sixth year. This milestone will be an opportunity to reflect on the past and consider the future of healthcare and patient rights.


林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償事件)は、脳梗塞で入院した母親の治療をめぐる事件です。母親は快方に向かっていましたが、長男は医師の許可なく経管栄養の流入速度を速めました。長男は延命につながる治療を全て拒否しました。病院もその方針に従いましたが、毎日お見舞いに通っていた長女にはこの決定についての説明がありませんでした。


2019年6月に公開された質問状は、医療現場における透明性の確保、患者本人の意思推定の取り組み、患者の自己決定権の尊重を訴えるものです。質問状の公開から5年が経ち、この問題は未だに多くの人々にとって重要な課題です。


この5年間で患者安全や患者の意思を尊重する医療の在り方について多くの議論が行われました。患者とその家族が治療内容や方針について十分な情報を得られるよう、医療機関はより透明な対応を心がけるようになりました。患者の意思や希望が尊重される医療が求められ、医療現場での意思決定プロセスが改善されつつあります。公開質問状は、医療従事者と患者家族の溝を埋める一歩となり、医療の質の向上の一助になったと考えます。


林田医療裁判の教訓を活かし、医療現場での改善が進む中、まだ解決すべき課題は残っています。医療従事者への教育を強化し、患者の権利の重要性を再確認する取り組みが求められます。患者家族が医療現場で適切に意思決定できるよう、支援体制の充実が求められます。


公開質問状が5周年を迎えた今、この問題に対する関心を再び高め、医療現場でのさらなる改善を目指していくことが重要です。患者の権利が尊重され、家族全員が納得のいく形で医療が提供される社会を実現するために、引き続き努力を続けていきましょう。


65,医療事故と命の尊厳,2024年6月17日

64,患者側代理人に期待すること,2024年5月27日

63,医師の理念,2024年4月12日

62,東京消防庁救急隊要請,2024年3月18日

61,わたしはここにいます,2024年2月13日

60,医療事故調査・支援事業運営委員会,2024年1月4日

59,心拍変動1/fスペクトル解析,2023年12月5日

58,HPVワクチンの副反応と誤診,2023年11月6日

57,命は誰のものか,2023年10月12日

56,医療安全誓いの日,2023年9月1日

55,代理判断者,2023年8月2日

54,医療基本法,2023年7月3日

53,医療事故防止の意識改革,2023年6月6日

52,Advance Care Planning,2023年5月16日

51,患者安全奈良シンポジウム,2023年4月1日

50,透析見合わせの驚き,2023年3月3日

49,腎代替療法選択,2023年2月9日

48,accountability,2023年1月3日

47,ライヒ裁判所判決,2022年12月1日

46,ISO26000,2022年11月1日

45,「世界患者安全の日」&「架け橋」10周年記念シンポ,2022年10月1日

44,World Patient Safety Day,2022年9月5日

43,社会的説明責任,2022年8月20日

42,暑中お見舞い,2022年7月1日

41,四周年,2022年6月18日

40,公立福生病院事件が問うたもの,2022年5月9日

39,医療基本法フォーラム,2022年4月25日

38,公立福生病院事件,2022年3月1日

37,中野相続裁判尋問,2022年2月7日

36,医療事故調査制度,2022年1月2日

35,医療基本法制定,2021年12月5日

34,公立福生病院透析中止裁判の訴訟上の和解,2021年11月22日

33,「民間医局」医療過誤判例集,2021年10月4日

32,反延命主義のアリバイ作り,2021年9月21日

31,公立福生病院事件シンポジウム,2021年8月4日

30,キーパーソンと中野相続裁判,2021年7月20日

29,佼成病院への公開質問状2周年を振り返り,2021年6月21日

28,Physician Orders for Life Sustaining Treatment,2021年5月23日

27,田中良杉並区長の命の選別発言批判,2021年4月26日

26,シンポジウム「患者安全への提言は生かされるか」,2021年3月29日

25,人工透析と反延命主義,2021年2月22日

24,キーパーソンの仕組み,2021年1月25日

23,映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』,2020年12月14日

22,さいたま市立病院患者殺人未遂事件,2020年11月22日

21,第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」,2020年10月28日

20,医療現場での患者の安全を考えるシンポジウム,2020年9月22日

19,佐伯仁志「治療の不開始・中止に対する一考察」,2020年8月27日

18,すれ違う姉妹の思い,2020年7月1日

17,ユマニチュード,2020年2月17日

16,判例時報2351号に林田医療裁判掲載,2020年2月3日

15,酸素マスク,2020年1月20日

14,東京消防庁救急隊の蘇生中止への要請書,2020年1月6日

13,チーム医療,2019年12月20日

12,群大病院医療事故,2019年12月6日

11,日本の医療に関する意識調査,2019年11月22日

10,公立福生病院透析中止事件提訴,2019年11月8日

9,インフォームド・コンセント,2019年10月25日

8,患者の意思決定の支援策,2019年10月11日

7,キーパーソンの説明・選出法・役割・権限,2019年9月27日

6,経鼻経管栄養の記録,2019年9月13日

5,キーパーソンの役割,2019年8月30日

4,キーパーソンの設定,2019年8月17日

3,社会的責任に関する国際規格ISO26000,2019年8月2日

2,回答督促,2019年7月19日

1,公開質問状,2019年6月30日





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