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德田弁護士56周年講演「薬害エイズ問題から私が学んだもの」

執筆者の写真: 林田医療裁判林田医療裁判

德田靖之弁護士人生を語る実行委員会は、徳田靖之弁護士活動56周年記念連続講演会第5回「薬害エイズ問題から私が学んだもの」を2025年3月29日(土)に大分県大分市金池南一丁目のホルトホール大分の大会議室とZoomで開催した。林田医療裁判を考える会からも参加した。


日本は薬害大国である。薬害エイズは薬害スモンに続いて大きな問題になった。エイズは免疫を破壊する。通常ならば感染しない病気にも感染して亡くなってしまう。エイズは米国で問題になった。米国では売血が行われており、それを原料として薬を製造していた。


薬害エイズは血友病の治療薬として開発された血液製剤に混入したエイズの原因となるHIVによって、日本の血友病患者の約40%に相当する1850人が感染し、500人を超える命を奪われた空前の薬害である。大分でも20人を超える被害者が出た。半数の被害者が命を奪われた。日本政府は非加熱製剤を承認し続けた。


エイズが感染症であることから、感染被害者が偏見・差別にさらされるという深刻な被害が重なった。国による薬害エイズ隠しと「エイズ予防法」の制定が被害をもたらした。恐ろしい伝染病、現代のペストとのイメージを広げた。政府が患者に追い打ちをかけた。日本という国は責任が問われる局面になると恐ろしいことをする。高知パニックでは国の恣意的なリークにより、薬害患者を加害者に印象操作した。


薬害エイズでは医療の加害責任が深刻な形で問われた。感染させてしまった責任がある。患者から「アメリカで非加熱製剤からエイズに感染する薬害が生じたが、大丈夫か」と問われたが、「大丈夫」と言い続けた。告知の回避が治療の遅れと二次感染・三次感染を引き起こした。診療拒否も起きた。


薬害エイズは、命を奪われるという被害であったことが特徴である。生き抜くということ自体がたたかいだった。生きるということの意味が問われた。


被害が子どもたちや若者に集中した。被害が判明した時点で40%近くが未成年であり、多くの小学生、中学生が被害者となった。子どもたちが、それぞれに、生きるということの意味を考えることを余儀なくされた。若者たちは、恋愛・結婚という問題において深刻な決断を迫られることになった。


薬害エイズ国賠訴訟は、政策転換訴訟としての位置づけを確立した。訴訟は、全面解決を実現するための前提、法的枠組みを作るという意義。全面解決要求とこれを実現するための定期協議の場を確保する。後のハンセン病国賠訴訟、薬害肝炎国賠訴訟、優生保護法国賠訴訟に引き継がれた。薬害エイズの問題は知って、あなたはどうするのか、を問われ続ける。知ってどうするという問いを自分に投げ続ける。


徳田靖之弁護士活動56周年記念連続講演会「世代を超えて伝えたい想い」は徳田弁護士の弁護士活動や市民活動の経験を伝えながら、世代を超えて若い人達に思いを届ける講演会。德田弁護士は1944年大分県別府市生まれ。「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟西日本弁護団共同代表。ハンセン病市民学会共同代表。薬害エイズ九州訴訟共同代表。


1973年から大分で弁護士活動を開始し、以来半世紀以上に渡り、多くの人々の権利を守るために尽力してきた。特にハンセン病の隔離政策を巡る訴訟や冤罪事件の刑事弁護において重要な役割を果たしている。


徳田弁護士は薬害の国賠訴訟にも取り組まれている。整腸剤「キノホルム」による薬害スモン訴訟では、全身のしびれや痛み、失明などの深刻な被害を受けた患者のために戦い、国の責任を追及した。また、血友病患者が使用する非加熱製剤にHIV(エイズウイルス)が混入し、HIVに感染した被害者による薬害エイズ訴訟でも、被害者の権利回復に尽力した。


徳田弁護士の弁護士活動50周年を記念した講演は、「伝えたい想い : いのち・くらし・人権」と題され、その講演録は冊子としてまとめられた(徳田靖之弁護士活動50周年記念講演会実行委員会『伝えたい想い : いのち・くらし・人権 : 徳田靖之弁護士活動50周年記念講演録』)。徳田弁護士は「50年は一つの通過点に過ぎない。命ある限り田舎の弁護士として大分で闘っている人たちと共に闘いたい」と決意を述べた(「「命ある限り大分で闘う」 徳田靖之弁護士の講演「伝えたい想い」が冊子に /大分」毎日新聞2020年4月24日)。


連続講演会の今後のスケジュールは以下である。

第6回「ハンセン病」2025年4月27日(日) 14:00開演 16:00終演

法律による取り締まりと強制隔離、今なお帰れないふるさと


第7回「飯塚事件・菊池事件」2025年5月25日(日) 14:00開演 16:00終演

飯塚事件-誘拐殺人事件、4つの証拠と疑念

菊池事件-証拠不十分での逮捕、ハンセン病を理由とする特別法廷


第8回「德田靖之、人生を語る」2025年6月21日(土) 13:00開演 16:00終演

伝えておきたいこと(伊方原発訴訟・平和について)を交えながらシリーズのまとめ「80歳、人生を語る」


徳田靖之弁護士56周年記念講演「HPVワクチン薬害訴訟」

薬害エイズ 和解の日に~HPV 薬害訴訟 大分から支援の風を

草伏村生さんとM君、瀬戸さんを偲ぶ 薬害エイズの集い


徳田靖之弁護士活動56周年記念連続講演会第5回「薬害エイズ問題から私が学んだもの」
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