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執筆者の写真林田医療裁判

月島三丁目南地区再開発をざっくばらんに語る会

更新日:9月29日

愛する月島を守る会は月島三丁目南地区再開発をざっくばらんに語る会を2021年12月27日午後7時から「みんなの子育てひろば あすなろの木」で開催する。1時間くらい歓談する予定である。愛する月島を守る会は月島三丁目南地区市街地再開発組合に対して「月島三丁目南地区再開発に関する公開質問状」を出している。


超高層ビル中心の再開発は住みよさをもたらさない。東京都中央区は「月島エリアでの再開発により人口流入が続き、人口増加率は全国の市区でトップ」(『都市データパック 2020年版』東洋経済新報社、2020年)。自然人口増減率も世帯増加率も日本の都市・特別区の中で1位です。ところが、住みよさランキング全国812にも住みよさランキング東京区・市45にも入っておらず、人口増加が住みよさに比例していない。むしろ、再開発は住みよさと逆行すると言える。


「2ちゃんねる」開設者のひろゆきこと西村博之さんがタワーマンションの危険性をツイートした。

「タワーマンションを資産として考えてる人もいるようですが『大規模修繕にいくらかかるのか、誰もわからない。』という事実を無視してる人が買ってる気がします」

「30年後に修繕する材料費や人件費や工法がわからないまま買わされてるんですよね。。売る側もぼやかしますし」(「ひろゆき氏、タワマンの30年後の危険性に言及「わからないまま買わされてるんですよね。。」」スポーツ報知2021年12月1日)


月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業では都市計画決定の取り消しを求める訴訟が提起された。その第1回口頭弁論は2019年11月7日(木)午後2時から東京高等裁判所808号法廷で開催された。口頭弁論では控訴人の住民らが意見陳述した。午後3時からは控訴人(住民)と月島再開発問題弁護団が司法記者クラブで記者会見した。


プレスリリース「月島三丁目南地区都市再開発に関する都市計画決定の取消訴訟記者会見のお知らせ」(2019年11月5日)は以下のように記す。

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現在、月島三丁目南地区において、現存の建物を取り壊し、地上50階建て(高さ約190m、共同住宅750戸)の超高層ビルの建築を含む、第一種市街地再開発事業を行う計画が持ち上がっています。2018年2月28日、中央区長は、同地区の地区計画変更、高度利用地区、第一種市街地再開発事業に関する都市計画決定を行いました。この都市計画決定に影響を受ける住民が原告となり、2018年8月21日、都市計画決定取消訴訟を提起しました。原告らは、裁判の中で、住民が知らないまま進められている月島三丁目南地区の再開発が都市再開発法及び中央区まちづくり基本条例に違反するものであり、それを前提とする都市計画決定は違法であると訴えてきました。

2019年4月19日に行われた第2回口頭弁論期日は、裁判長が交替して初めての 口頭弁論期日でしたが、裁判所は、何ら原告らの生の声を聴くことなく、弁論を終結し、 判決に移行すると突如宣言しました。原告らからは、弁論再開の申立ても行ったものの、それも認められることのないまま、2019年7月12日に、「処分性がない」として原告らの請求を却下する判決が出されました。

これは、都市再開発事業の実態を無視した不当な判決であるため、住民らは東京高等 裁判所に控訴しました。

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この処分性は行政訴訟の前提条件となるものである。都市計画決定に処分性がないと都市計画決定が違法であるか否かという問題以前に取り消しを求める資格がないとなってしまう。しかし、再開発事業の実態を踏まえれば、都市計画決定に処分性を認めることは権利救済の実効性を図るために必要である。


都市計画決定は権利制限を受ける土地を具体的に特定する。そして都市計画決定によって、その実現に支障が生じないように建築が制限される。また、都市計画決定は再開発組合設立認可の前提になる。この再開発組合設立認可は処分性が肯定される。たとえば二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業の再開発組合設立認可を求める訴訟が提起された。


しかし、後行行為の処分性が肯定されることは、先行行為たる都市計画決定の処分性を否定する理由にはならない。現実問題として再開発組合設立認可まで取消訴訟の提起を待たなければならないことは、建築を阻止するには遅すぎることが多く、権利救済の実効性を持たない。


土地区画整理事業の事業計画の決定については処分性が肯定される。「換地処分等の取消訴訟において、宅地所有者等が事業計画の違法を主張し、その主張が認められたとしても、当該換地処分等を取り消すことは公共の福祉に適合しないとして事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性が相当程度あるのであり、換地処分等がされた段階でこれを対象として取消訴訟を提起することができるとしても、宅地所有者等の被る権利侵害に対する救済が十分に果たされるとはいい難い。そうすると、事業計画の適否が争われる場合、実効的な権利救済を図るためには、事業計画の決定がされた段階で、これを対象とした取消訴訟の提起を認めることに合理性があるというべきである」(最大判平成20年9月10日民集62巻8号2029頁)


この判決の論拠が再開発事業の都市計画決定にも当てはまるならば、都市計画決定の処分性を肯定できる。事情判決の可能性や財産価値の低下による不利益を被る者への救済の必要性は再開発事業でも同じである。


「都市施設や市街地開発事業に関する都市計画決定等に不服がある者が、当該都市計画決定等の違法性を訴えようとした場合には、後行処分が行われるまで訴訟を提起することができず、事業が進行してしまうことになり、個人の権利救済が遅れる。」(財団法人都市計画協会都市計画争訟研究会「都市計画争訟研究報告書」4頁)


都市計画決定の段階である程度明らかになる事項の適法違法について争いがある場合、これについて早期に裁判所の判断が下されることは社会全体にとってメリットがある。計画が違法と判断されたならば、早い段階で計画を中止・変更でき、計画が進んでから中止・変更するよりも手戻りが少なくなる。


今やグローバル感覚を持ったビジネスパーソンの合言葉はFail Fastである。Googleのエリック・シュミット元CEOは「Fail fast, fail cheap, and fail smart」と語った。早い段階で失敗し、大損害になる前に撤退する。これは「頑張ります精神」の根性論精神論が蔓延する昭和の日本では「失敗を恐れずチャレンジしよう」と解釈される可能性がある。しかし、日本に求められる思想は速やかな撤退である。それが日本は下手である。典型は十五年戦争になるが、戦後の土建国家にも同じ体質が重なる。



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