第17回口頭弁論は以下の日時です。
日時:2021年1月29日(金)午前10時から
場所:さいたま地裁C棟105号法廷
中野相続裁判さいたま地裁の第10回口頭弁論が開かれた。ハロウィンの翌日であり、令和元年11月1日と1が揃う日でもある。
事件番号:平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件
日時:2019年11月1日(金)午前11時半
場所:さいたま地方裁判所C棟一階105法廷
裁判所構成:石垣陽介裁判長、工藤正裁判官、高津戸朱子裁判官
裁判長は茶道具の分割について、保管状況を明らかにすること、現物確認の立会人、選択方法の3点が対立しているとした。最初の茶道具の保管場所は、そもそも全て自宅に保管しているのか、一部を貸倉庫に保管しているのではないかとの疑義が出された。
これに対して長男夫婦側代理人の松木隆佳弁護士は「全て自宅にある。リフォーム時に貸倉庫を借りたが、リフォーム後に解約した」と答えた。長女側は解約したとの書類の開示を求めた。見取り図の提示は長男が抵抗していたものであるが、全て自宅に保管しているならば作成に抵抗するような性質のものではない。
保管の見取り図は、裁判所案では現物確認しないものに限定されたら、それに限らず、全体を対象とするとした。長女は、たとえば茶室の棚に保管していると示されれば、場所は分かる。
最後の選択方法について裁判所案はジャンル毎に分割するとしていたが、それでは各ジャンルで余った道具を改めて集めて再選択するなど手続きが複雑になる。このため、裁判所は全ての茶道具に通し番号を付け、ジャンル関係なしで選択する形で考え直すとした。なるべく簡明な手続きが良いとする。
立会人の問題も長男夫婦側が抵抗した。共有物を確認する際に誰を立ち会わせようと自由である。そこを出発点にしなければ論理がおかしくなる。長男夫婦のわがままではないか。嫌だと言うことが通るならば、長女も長男夫婦の顔を見ることが嫌である。口頭弁論終了後に報告集会を開催した。そこでは親のものを勝手に見られないというのは酷いとの声が出た。
長男夫婦側は一覧表の作成など譲歩していると主張するが、共有物を独占的に占有している立場であり、管理者が行わなければならないことである。そもそも一覧表は第一次裁判(平成20年(ワ)第23964号 土地共有持分確認等請求事件)の原告の目録に基づいたもので、大した労力ではない。
長男夫婦側は自宅外観写真を問題視したが、第一次裁判の甲第26号証、甲第27号証、甲第113号証で立証したものである。それぞれ立証趣旨は長男夫婦の主張に反論するためのものである。長男夫婦が立会人制限に拘泥する理由は、長女側を事実から遠ざけ、都合の悪い指摘をされないようにするためではないか。
【証拠説明書(二)甲第26号証】
本件土地が建物の建てられる土地であること
乙14の地形図が大袈裟であり、本件土地の経済的価値を損なわないこと
【証拠説明書(二)甲第27号証】
本件土地が建物の建てられる土地であり、不整形地との被告主張が本件土地の経済的価値を損なうものではないこと
平成15年のリフォーム後は茶道・華道教室の看板が撤去されたこと
【証拠説明書(15)甲第113号証】
被告が不整形地とする建物の南西部分は交差点に面することによる隅切りであり、不整形地とは無関係であること。
北東の凹んでいる部分は目立たず、2階には8畳の茶室と水屋ができており、建物の利用を妨げるものではないこと。
長男の中野区新井の土地の評価も問題であった。長男は親の土地を無償で借りて住宅を建てた。この場合の相続評価は更地価格となる。しかし長男は、使用借権を持ち出して土地の価格を減額して提出した。
最初に長男が提出した土地の評価額は「30,888,098円」である(乙54の2、乙53・13頁)。しかしこの価額は本来の土地の評価額を減額した価格であった。長男は作成者を「国税庁」と詐称して、東京地方裁判所に乙第14号証として提出した。代理人弁護士4人が「作成者国税庁」という証拠説明書を作成している(乙54の1・2頁)。
次に長男が出した価額は「29,229,686円」である。ここで使用借権を用いて前より減額した(乙53・13頁)。ここでも作成者を中野税務署職員等と詐称した(乙57)。証拠説明書には代理人弁護士松木隆佳の署名押印がある(乙57の1)。
東京地方裁判所判決は土地の評価額を長男の使用借権の主張を容れて「2940万円」としたが、高等裁判所が「4200万円」に変更した(甲19・11頁)。そのため長女の持ち分は裁判所の計算で茶道具等の約2分の1になった(乙53・17頁)。
裁判前も長男の代理人弁護士は「あなたには遺留分がありません。あなたが遺留分減殺請求をすれば、不当利得返還請求をして取り戻します」と長女を脅して遺留分減殺請求を止めるよう誘導した。このような経緯も踏まえて判断しなければ公正ではない。
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