2022年6月18日に佼成病院に公開質問状(41)を送付しました。
早いもので佼成病院宛の公開質問状は、41回目四年目(三周年)になります。
私達は、林田医療裁判を経験し、その経緯を知った者として患者の安全と幸せを考えます。延命治療を嫌う風潮が広がっている世の中で「高齢者はどうせ死ぬのだから有限な医療資源を使うのは無駄なこと」という考えもあります。弱い立場の高齢者が権利を主張し辛くなっている今、真剣に考える必要があると思われます。ご覧いただければ幸いです。
立正佼成会附属佼成病院
病院長 甲能直幸 様
公 開 質 問 状(41)
2022年6月18日
前略
公開質問状4周年です。高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって41回目の公開質問状をご送付致します。早いもので公開質問状も4年になりました。
私達は、林田医療裁判を経験し、その経緯を知った者として広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せを探求しています。とりわけ佼成病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題に直面された医療機関です。そこで適切な医療を進めるためのご意見をお伺い致したく2019年6月25日に面談を求めました。ところが、佼成病院は、翌26日に私達の面談をお断りされました。そこで公開質問状(第1回)をご送付させていただきました。
以来、一度もお返事はありませんが私達は、佼成病院に公開質問状の送付を続けています。
以下が林田医療裁判の概要です。
患者は、2007年6月18日、立正佼成会附属佼成病院に救急搬送されました。患者は、宗教法人立正佼成会の信者ではなく、また、自ら指定したのでもなく佼成病院は、東京都が指定する第2次救急病院として搬送され脳梗塞治療のため入院しました。担当された岩﨑正知医師の入院診療計画書の退院日は、2007年7月31日と記載されています。
裁判になって初めて聞きましたが、佼成病院のキーパーソンの決め方は、家族に相談することなく独自に長男をキーパーソンとしました。しかし、他の家族には、キーパーソンについて説明をしていないので他の家族は、何も知りませんでした。
患者は、快方に向かいリハビリを始め退院の指示が出ていました。ところが、長男は、入院中の患者(母)の経鼻経管栄養の流入速度を医師の許可なく勝手に速めました。その後、患者は嘔吐して誤嚥性肺炎になりました。
ところが、長男は、患者を治すのではなく反対に延命につながる治療を全て拒否しました。病院は、点滴を中止し、さらに長男の要望に従って患者の酸素マスクを外し自力呼吸を死ぬまでさせました。毎日のようにお見舞いに通っていた長女には相談も説明もなされませんでした。長女は、母の治療は尽くされている、と思っていました。
母の死から2年経っていましたが、長女は、カルテを見て初めて治療が中止されたことを知り驚きました。カルテを見なければ知らないままになるところでした。厚労省のガイドラインの手続きとは違っているのが疑問でした。
担当の岩﨑医師は、自身の理念で「患者さんの意思確認はしない。キーパーソンさんと話す」と述べられました。佼成病院では、キーパーソンに患者の生死を決める権限があるのでしょうか?疑問です。
岩﨑医師は、「カルテ記載内容の補足として、私は、大事を取りすぎて、意思疎通ができないまま寝たきり状態になるのが最善とは言えない、という主治医の理念をわきまえた上での延命治療拒否だと思いました」と長男の治療拒否を理解しました(乙A第3号証「岩﨑正知医師陳述書」8頁)。
また岩﨑医師は、ご自身の母上を介護した経験から「あの時の介護は地獄のようだった」と長男に話されたということです。
主治医という立場上、岩﨑医師の個人的な価値観が治療中止に影響しているのではないか、と思えてなりません。世間では、「高齢者は、あと少しでどうせ死ぬのだから、医療資源は有限だから高齢者に使うのは無駄である。」という考えもあります。私達は、高齢者の命の大切さ、自己決定の尊重を考えていますが、病院長様には、医療機関としてのご意見をお寄せ下さることが道義的に期待されます。
世界の先進諸国に遅れない医療を進めるためには、患者・家族の疑問に耳を傾ける努力も必要であると考えます。
この質問状は、ご回答の有無に関わらずネット上に公開致します。大勢の市民と共に医療従事者・病院の経営者達の相互の認識と理解を深める一助になれば幸いです。林田医療裁判で問われた争点は決して終了しているのではなく現代日本の医療の問題として問われ続けています。いつものように第1回公開質問状を掲載しますので皆様と共に議論して下さい。ご回答ご意見をお待ちしております。
草々
公開質問状本文は下記にあります。
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