冤罪に利用された科学者の知見 大川原化工機事件を問う
- 林田医療裁判
- 5 分前
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ゲノム問題検討会議「冤罪に利用された科学者の知見ー大川原化工機事件を問うー」の動画が公開されました。
講師:高田剛弁護士 弁護士法人和田倉門法律事務所
四ノ宮成祥さん 元防衛医科大学校校長
パネリスト:大川原正明社長
司会:島薗進さん 東京大学名誉教授
大川原化工機事件は生物兵器の製造に転用可能な噴霧乾燥機を経済産業省の許可を得ずに輸出したとして、2020年3月11日に警視庁公安部外事一課が神奈川県横浜市の大川原化工機株式会社の代表取締役や相談役らを逮捕しましたが、杜撰な捜査であり冤罪だったことが明らかになった事件です。
代表取締役らは一貫して無罪を主張してきたのですが保釈は認められず、その間に相談役は進行胃がんと診断され入院しました。2021年2月5日、代表取締役と常務取締役は11か月ぶりに釈放されましたが、7日に相談役は病死したほか10回にわたり取り調べを受けた女性社員はうつ病を発症しました。
亡くなった相談役は、入院治療の必要があると弁護士が訴えたにもかかわらず、病気発覚以前からのものを含めれば保釈要請は計7回も認められなかったというのです。その一方で、事件を主導した警部及び警部補は事件後に昇任しています。東京地方検察庁は第1回公判直前の7月30日、公訴を取り消し刑事裁判を終結させました。
それに先立ち、2017年5月18日、警部補は防衛医科大学校を訪れ、微生物学を専門とする元防衛医科大学校校長の四ノ宮成祥教授と面会し、事件の捜査であることは伏せ「滅菌」と「殺菌」の定義について意見を求め、公安部に有利になるように捜査を運んだのでした。実際にはどうであったか。四ノ宮先生がその経緯を語って下さいます。
この事件の科学的な次元もしっかり踏まえて、捜査の違法性を明らかにしてきた高田剛弁護士は、もともと東大で生命科学を学んだ方ですが、政治的な意図にそった捜査が行われ、科学を歪めて用いようとした警察のあり方は大いに問われてしかるべきものです。
この事件は、経済安保に関わりセキュリティ・クリアランス制度が民間企業にも適用される法律が国会を通過する少し前に露わになりました。政治的な意図によって民間企業の活動が制約され、科学技術に関わる実務者が、理由がよくわからないままに取り締まりを受けるというようなことがどうして起こったのでしょうか。
ゲノム問題検討会議「冤罪に利用された科学者の知見ー大川原化工機事件を問うー」
大川原化工機冤罪国賠訴訟
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