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  • 執筆者の写真林田医療裁判

中野相続裁判さいたま地裁の第6回口頭弁論

更新日:2020年12月18日

第17回口頭弁論は以下の日時です。

日時:2021年1月29日(金)午前10時から

場所:さいたま地裁C棟105号法廷


中野相続裁判さいたま地裁の第6回口頭弁論が開かれた。

事件番号:平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件

日時:2019年4月5日(金)午前11時

場所:さいたま地方裁判所C棟一階105法廷

裁判所構成:石垣陽介裁判長、工藤正裁判官、高津戸朱子裁判官


長女は以下の主張をしている。「長男夫婦が長女に対して説明することなく、長女による母の遺産の正確な把握を困難にしながら、長男夫婦が長女の遺留分を侵害する主張をすることは、クリーンハンズの原則に違反し、権利濫用である」


長女側は事前に求釈明を出した。医療記録(乙A2)から、長男が母親の共済給付申請用の傷病診断(証明)書の交付を受けていたことが判明した。これは長男夫婦の出した医療記録には入っておらず、病院が提出した医療記録で初めて分かったことである。そのため、長男が受領した入院給付と治療見舞金を質問した。


長男夫婦は第6準備書面で回答したが、内容は的外れと回答拒否であった。共済申請は「記憶していなかっただけであり、意図的に隠したものではなく」とする(1頁以下)。その時は黙っていて、後になって記憶にないと言う。説明する機会はいくらでもありました。記憶にないという言い訳は汚職政治家の答弁と同じである。


しかも、回答は退会返戻金や見舞金の話で、質問の入院給付と治療見舞金に答えていない。このため、法廷で長女の代理人は「求釈明に応じていないので、再度の求釈明を行う」と発言した。また、長女は共済の手続きをした人物の名前を出して調査が可能であるとし、調査を求めた。記憶にないという言い訳が出るならば他にも同じようなことがあるので徹底的に本人以外の人が入って調査する必要があることを自ら認めたことになる。


求釈明では母の遺品である肉筆の茶道具分類ノートと茶会記の提出を求めた。茶道具分類ノートには、母が所有する茶道具類が記載されている。茶会記は、お茶会で使用した茶道具の由緒、作成者などを記載して茶会の客に披露するための説明書である。茶会に使用したということは価値がある。ゼロ円という長男夫婦の主張が成り立たなくなる。


長男夫婦は提出を拒否した。茶会記や茶道具分類ノートは遺品である。相続人が見る権利があるものである。弁論終了後の報告集会では「相手が原告なのに情報を出すことは拒否、拒否、拒否はどうなのか」「資産隠しではないか」との意見が出た。これは遺産の分割に影響する問題であり、長女側は追及を続ける予定である。


長女側は証拠申出書を提出し、証人尋問と当事者尋問を申請した。代理人は尋問を両当事者が対面して何らかの意思を疎通しあう場所とし、判決を出すだけでなく、和解を促進する機会にもなると発言し、採用の検討を求めた。


裁判長は遺産の分割について以下のように話した。現物を見ないと選べない。その機会を保障しなければならない。内覧会をどう開くかが問題である。予めデジカメで物件のリストを作る。一通り中身を見た上で選択する。裁判所としては期日外に双方の代理人が話して行うことが望ましいものの、立ち会うことも考えている。ルールを定める。


今回も長男夫婦は出廷せず、長男夫婦側は代理人の松木隆佳弁護士のみであった。傍聴には遠く北海道からの参加者もいて、大変励まされた。この日の裁判所前の埼玉県庁の桜は満開であった。埼玉県比企郡鳩山町で午後2時47分に気温25度を記録し、関東で今年初めての夏日となった。




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