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医療過誤原告の会会報掲載七周年

  • 執筆者の写真: 林田医療裁判
    林田医療裁判
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

林田医療裁判の記事が医療過誤原告の会の会報第40号『悲しみにくじけないで』(2018年7月1日発行)に掲載されてから2025年7月1日で七周年を迎えます。原告の手記「母の望まぬ死」とノンフィクションライター・北穂さゆり氏の記事「『高齢者差別』という隠れた命題を闘う 林田医療裁判」です。


「母は何も知らされずに亡くなった」

この一言が、林田医療裁判の核心を突いています。林田医療裁判では入院患者の長男が延命治療を拒否しました。医師記録(カルテ)の2007年8月20日には「family (son)は延命につながる治療を全て拒否。現在Div.(点滴)で維持しているのも好ましく思っていないようである」と書かれています。これは家族全員の意見を代表したものではありませんでした。主治医はチームや病院の倫理委員会と相談せず、単独で対応を決定しました。


林田医療裁判は、医療現場に潜む見えない危険を浮き彫りにしました。林田医療裁判は、「患者中心の医療」と「意思決定の透明性」の重要性を浮き彫りにします。医療訴訟の一例として、患者の自己決定権、尊厳、高齢者医療における倫理的・法的課題を明らかにします。以下の点が林田医療裁判から導き出されるポイントになります。


インフォームド・コンセントInformed Consentの徹底

患者の自己決定権を尊重し、治療方針に関する十分な説明と同意を得ること。

患者の自己決定権は、医療安全の核心的要素です。林田医療裁判では、患者の意思が適切に尊重されたか、家族との合意形成が十分に行われたかが争点の一つでした。インフォームド・コンセントのプロセスが不十分だと、患者や家族の不信感が増大し、医療事故や訴訟リスクが高まると指摘されています。医療安全の向上には、患者の価値観や希望を反映した意思決定支援が不可欠です。


多職種連携と家族間調整

医療チームと家族全体が協働し、患者の利益を最優先に判断する体制の構築。

医療安全において、医療者と患者・家族間の情報共有は極めて重要です。

第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」でも以下のように指摘されました。「現在のポイントとしては多職種が関わったかというのが非常に大事で、そうすれば医師が気付かないところも看護師さんならば常日頃家族とも会っていますし、そういうことが分かっていた可能性もあるということで、やはりここから見えてくるのは医師が1人で決めているような書き方なので、この事例はそこが欠けているのではないかなと思います」(判例タイムズ1475号(2020年10月号)14頁以下)


記録と検証の制度化

治療中止や方針変更の経緯を明確に記録し、後の検証が可能な仕組みを整備すること。

医療過誤原告の会の会報第40号『悲しみにくじけないで』
医療過誤原告の会の会報第40号『悲しみにくじけないで』

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