外環ネットら14団体は調布市役所による外環事業者への個人情報漏洩問題に対して公開質問状を出した。しかし、調布市と国土交通大臣、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)のいずれからも回答期限の2021年11月25日までに回答はなかった。外環ネットは、東京外環道の問題について活動する練馬区から世田谷区までの沿線各地の住民で構成する団体である。
公開質問状への非回答は、立正佼成会附属佼成病院と同じである。
情報漏洩元である調布市の長友貴樹市長は2021年11月25日の定例記者会見で「極めて不適切な対応を行っていた。市民、関係者に迷惑と心配をかけ、大変申し訳ない」と陳謝した。長友市長は「個人情報の取り扱いについて、職員の認識不足で生じたミス」で意図的な漏洩ではなかったとする(「「極めて不適切な対応判明」調布の陥没 個人情報漏洩で市長が謝罪」TBS 2021年11月25日)。しかし、意図的・組織的な漏洩であることの根拠を示していない。警察不祥事など多くの公務員不祥事と同じく第三者機関による真相解明が必要である。
調布市は情報公開請求者の個人情報を繰り返し漏えいした。「前回同様、取扱厳重注意で」と市職員がメールで念押ししている。漏洩はミスではなく、そもそも送る必要はないものである。問題は匿名の差出人から2021年10月下旬に「あなたの個人情報が駄々漏れとなっています」との手紙やメールのコピーなどが男性宅に届いて発覚した(「調布市情報漏えい、市長が謝罪 「極めて不適切な対応」 問題のメールは削除」東京新聞2021年11月25日)。
漏洩された男性は以下のように話す。「個人情報の横流しに等しい。市の行為は許せない」(「調布市、請求者の個人情報を繰り返し漏えい 陥没事故の情報公開」東京新聞2021年11月11日)
「ミスではなく確信犯だと思う。非常に恐ろしい」(「男性「非常に恐ろしい」 陥没問題めぐる調布市の個人情報漏洩で」TBS 2021年11月12日)。
調布市では2020年10月に外環道工事現場の真上で陥没事故が起きた。この事故は約千戸(700メートル×200メートル)の地域の地盤・家屋・住民の健康を損傷した大惨事である。新たな地面の亀裂、家屋と外構部との隙間、家の傾きなどの報告が寄せられ、周辺の地盤の安全性に多くの住民が一層の不安を抱えている。東京外環道訴訟第13回口頭弁論は2021年11月24日(水)15時から東京地方裁判所103号法廷で行われた。
国土交通省と東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)は東京外郭環状道路(外環道)のトンネル見学会を2021年12月10日と11日に開催する。東名JCT立坑から約3kmまでの南行トンネルまたは北行トンネルを対象とする。しかし、見学者を調布市の陥没被害地域住民に限定する。世田谷区の地権者などは参加できないことは不当である。マスコミ関係の方の同行取材を断る点も隠蔽体質が現れている。
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