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  • 執筆者の写真林田医療裁判

林田医療裁判の公開質問状62東京消防庁救急隊要請

暖かい陽ざしが心地良く感じられる頃になりました。皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。

立正佼成会附属佼成病院へ62回目の公開質問状を送付しました。

今回は、5年前の消防の日(3月7日)に東京消防庁救急隊による蘇生中止方針に対して林田医療裁判訴訟団が提出した要請文について書きました。

ご覧いただければ幸いです。


It is now the time of year when the warm sunshine feels comfortable. We hope everyone is doing well.

We have sent our 62nd open letter of inquiry to Rissho Koseikai-affiliated Kosei Hospital.

This time, we wrote about the letter of request submitted by the Hayashida Medical Tribunal Litigation Group on Firefighters' Day (March 7) five years ago in response to the policy of de-resuscitation.

We hope you will find it useful.



立正佼成会附属佼成病院 病院長 市村正一 様

公 開 質 問 状(62) 2024年3月18日

前略

3月7日は、消防記念日です。5年前、林田医療裁判訴訟団は、東京消防庁救急業務懇話会答申」の蘇生中止方針に対して、2019(平成31)年3月7日付で林田医療裁判の経験に基づいて要請文を提出しました。以下に記載します。

                       

「貴懇話会が2019年2月12日に公表された救急隊による蘇生を中止する旨の答申に関して要請いたします。

1 林田医療裁判は、入院中の患者の長男が患者の経鼻経管栄養の流入速度を医師の許可なく勝手に速めた上、延命につながる治療を全て拒否する旨伝え、これに従った病院は点滴を中止し、日中の酸素マスクもせず、毎日のようにお見舞いに通っていた長女には相談も説明もしなかったことについて、長女が原告となり、病院と長男夫婦の責任を追及した裁判です。

2 答申では、心配停止の患者本人が事前に書面に残していたり家族と話したりして心肺蘇生を望んでいないことが分かった場合は、①患者のかかりつけの医師に連絡し、かかりつけ医師が了承し、②家族が同意書に署名すれば蘇生や病院への搬送を中止できるとし、蘇生を中止した経緯を記録に残すようにする、③かかりつけ医師に連絡を取れない場合など要件を満たさない場合は蘇生する、との制度を提言しました。

答申が特定の家族の意向だけで蘇生を中止せず、かかりつけ医師の了承、家族の同意という要件を課し、蘇生を中止した経緯を記録に残すとしたことは評価します。また、かかりつけ医師に連絡を取れない場合など要件を満たさない場合は蘇生するとしたことは、原則が蘇生であるという立場を示すもので、これも評価します。

3 しかし、②家族が同意書に署名すれば蘇生や病院への搬送を中止できるようにするとの点は改善の余地があると思います。特定の家族の意見や医師の理念だけで蘇生が中止されてしまう危険があることを強く懸念するからです。

林田医療裁判では、長女は母親の死から2年後にカルテを見て初めて治療が中止されたことを知りました。医療記録には「長男は延命につながる治療すべて拒否、現在DIVで維持しているのも好ましく思っていない」とあり、「本日にてDIV(点滴)終了」と書かれていました。このように、医療現場では特定の家族をキーパーソンとし、キーパーソンの意見だけで治療方針が決められてしまうことがあります。また、高齢者への過少医療が問題提起されています。しかも、かかりつけ医師の了承がどこまで患者本人の利益を代弁できるものか疑問があります。

4 それだけに、(かかりつけ医師の了承に加えて)②家族が同意書に署名すれば蘇生や病院への搬送を中止できるようにする、との点は、次のように改定されるよう要請いたします。

②家族全員が同意書に署名すれば蘇生や病院への搬送を中止できる。但し、判断能力のある18歳以上の家族全員の署名が得られない場合は除く。

ご検討をお願いいたします。さらにその検討結果につきご連絡頂きたくお願い申上げます。」

佼成病院では、担当された岩﨑医師の理念で患者の意思確認はしない、治療をしない自然死の方針とするなどが決められました。

生死に関わる重大な決定を複数人で協議説明することなく、同意書もなく一人の医師が決められたことについて市村院長先生は、どのようにお考えなのでしょうか。医療機関としてのご意見をお聞かせください。

私達は、林田医療裁判を経験し、その経緯を知った者として患者の安全と幸せを考えます。いつものように2019年6月30日付 第1回公開質問状を以下に掲載いたします。ご回答は郵送でお願いします。患者主体の開かれた医療にするためには、市民と共に考え、議論を深めることが必要です。この質問状は、ご回答の有無にかかわらずネット上に公開させて頂きます。

草々

*****

         公 開 質 問 状(2019年6月30日 第1回)

第1 質問事項

1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。

2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。

3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。

第2 質問の趣旨

 1  林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。

 2  そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。

3  従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。

以上



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