全国薬害被害者団体連絡協議会が2023年11月23日に第25回「薬害根絶フォーラム」を江戸川大学メモリアルホール及びZoomウェビナーで開催した。林田医療裁判を考える会からも参加した。薬害根絶フォーラムは毎年開催されている。
The National Liaison Council of Organizations for Victims of Drug Injury held the 25th "Drug Injury Eradication Forum" on November 23, 2023, at Edogawa University Memorial Hall and Zoom Webinar. The Hayashida Medical Trial Association participated in the forum. The Forum is held annually.
第1部は各団体からの薬害被害実態報告である。サリドマイド、イレッサ、MMR、HIV、スモン、薬害ヤコブ、陣痛促進剤、筋短縮症、薬害肝炎からの報告がなされた。特集はHPVである。
報告者には薬害の状況が軽傷だから被害者の会に入っていいのかと躊躇したと話す方がいた。しかし、後になって悪化する。多くの人に知ってもらう必要があるということで被害者の会で活動していると話す。林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償請求控訴事件)では長男が入院中の母親の経管栄養の流入速度(注入速度)を速めた。これに対して軽微であるということが言われることがあるが、軽微だから問題ないということにはならない。
第2部は徹底討論「『薬害』とは何か~巧妙に操作された情報の波に漂流する「被害の真実」を再定義する~」である。以下の議論がなされた。
薬事行政が国民の方を見ていなかったから薬害が起きる。健康保険制度で医者は薬や注射によって報酬を得るため、薬や注射を多用する方向になった。
問題が判明した時点で止めていれば薬害は広がらなかった。危険を低く評価し、見たいものしか見ない。安全であってほしいという願望に乗っかってしまう。鳴り物入りで開始したものを中止できないという面子があったのではないか。行政や医療関係者は責任を逃れようとする。健全な原因分析や再発防止ができずに被害が拡大する。
厚労省が認可しているなどの権威を無批判に信じ込まない。薬害には健康被害に加えて生活上の被害がある。政府や厚労省の出す情報は時に信用できないということを知らないと薬害は防げない。
世の中全体が管理社会に動いており、管理される中で大人しく生きていくことを良しとする風潮がある。未だに「注射すれば治る」「医者の言う通りにすれば良い」という感覚を持つ人々がいる。「言うことを聞いていればいい」ということを押し付けた社会がある。
薬害は医学では治せない。それを抱えて生きていかなければならない。薬害は終わっていない。本人が訴えることは訴える必要があるからである。医療者が言っていることが正しいという固定観念ができてしまっている。『薬害を学ぼう』と冊子を配布することを止めさせようとする国会議員がいる。
薬害根絶フォーラム2022
第23回『薬害根絶フォーラム』開催
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