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執筆者の写真林田医療裁判

林田医療裁判の公開質問状55代理判断者

We sent our 55th open letter of inquiry to Rissho Koseikai-affiliated Kosei Hospital. The theme of this time is about "surrogate decision makers". This is a serious issue for patients as pointed out in the previous Open Letter 54: "Proxy decision making is not allowed.

立正佼成会附属佼成病院へ55回目の公開質問状を送付しました。

今回のテーマは「代理判断者」についてです。

これは前回の公開質問状54で「代理決定は許されない」と指摘されているように患者にとって重大な問題です。ご覧いただければ幸いです。

暑さ厳しきおりくれぐれもご自愛ください。


立正佼成会附属佼成病院 病院長 市村正一 様

公 開 質 問 状(55) 2023年8月2日


暑中お見舞い申し上げます。

病院長先生にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。

高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって公開質問状は55回目になりました。


前回54回目の公開質問状でも触れました「代理決定は許されない」の指摘は患者にとって重大な問題です。なかでも患者が高齢者の場合、生きるための自己決定など権利を主張できなかったり、あるいはないがしろにされていることも現実です。


佼成病院は、長男の治療拒否の要請があったその日に治療を終了しました。患者本人の意思は確認せず、他の家族の意見も聞かず一度も確認しませんでした。  

これは日本臨床倫理学会「日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針」に反します(公開質問状(28)を参照)。


日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針は以下の確認事項をもうけています。

「代理判断者の意思表示は,患者の立場に立ったうえで,真摯な考慮に基づいたものですか?」

「特に、家族等の判断や決定は、本当に『患者本人の意思を推定あるいは反映しているのか?』、もしかしたら『家族自身の願望とか都合ではないのか?』という倫理的に微妙な違いに敏感になる必要があります」

「家族等(代理判断者)は、患者と利益相反はありませんか?」

「家族等(関係者)内で、意見の相違はありませんか?」


「代理判断者の意思表示は,患者の立場に立ったうえで,真摯な考慮に基づいたものですか?」

この確認事項は、代理判断者が患者の立場に立ち、真摯な考慮をもって意思表示を行っているかを確認するものです。自ら意思を伝えることが難しい患者の場合は、家族や代理判断者が重要な役割を果たします。患者の価値観、信念、希望に基づいた決定が重要であり、代理判断者はこれらを尊重し、患者の意思を可能な限り正確に反映するよう努める必要があります。


「特に、家族等の判断や決定は、本当に『患者本人の意思を推定あるいは反映しているのか?』、もしかしたら『家族自身の願望とか都合ではないのか?』という倫理的に微妙な違いに敏感になる必要があります」

この指針は、代理判断者の中でも特に家族などが患者の意思を正確に推定・反映しているかどうかを確認する重要性を強調しています。家族は患者との密接な関係にあるため、自身の感情や願望が介入してしまうことがあります。しかし、家族の願望と患者の意思を区別することが重要であり、倫理的な観点から敏感に判断する必要があります。


「家族等(代理判断者)は、患者と利益相反はありませんか?」

この確認事項は、代理判断者が患者の利益を最優先に考慮しているかを確認するものです。代理判断者は患者の代わりに意思決定を行う責任がありますが、自らの利益と患者の利益が衝突しないよう注意が必要です。患者の最善の利益を追求することがポリシーとして重要視されています。


「家族等(関係者)内で、意見の相違はありませんか?」

代理判断者や関係者の間で患者の治療方針について意見の相違がないかを確認するものです。家族や関係者が意見の相違を抱えている場合、代理判断者だけの意見が患者の意思を推定することにはなりません。患者の希望を最も正確に反映できるように努める必要があります。


医療従事者や代理判断者がこれらを理解し、患者中心の医療を提供することが大切です。あらゆる患者に対して適切な治療方針を確立し、患者の尊厳を尊重することが目指されています。


佼成病院では、長男の治療拒否に従い、酸素マスク拒否にも従い、患者の死が決められました。医師は、喘いでいる患者の面前で「苦しそうに見えますが今お花畑です」と言うだけでした。

また佼成病院は、長男の酸素マスク拒否に従いましたが、夜間だけ酸素マスクをして朝になると外しました。その理由を、「もとより、酸素があるほうが本人は楽であろうが・・」夜間は手薄であるから、夜間に呼吸が止まってアタフタしないようになどの配慮であることを述べました。

つまり患者は、夜間だけ酸素マスクをしてもらえて朝になると外されるという苦しい日々が繰り返され命を縮めて絶たれました。何も知らない他の家族らは母の治療は尽くされている、と信じていました。


もし、患者の意思を確認しないで、また家族達とも協議しないで家族の一人からの要望で治療が中止されるのであれば、患者は心配でおちおち入院していられなくなります。これは、すでにご送付しております第1回公開質問状 第1質問事項 2と3に重なる問題です。既に佼成病院には、患者の自己決定の問題に直面された医療機関としてご意見をお寄せ下さることが期待されています。


このように、林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。この質問状は、ご回答の有無に関わらずネット上に公開して皆様と共に学習致します。いつものようにご回答がないままになっています第1回公開質問状を以下に記載いたします。ご回答をお寄せ下さい。

                               草々


公開質問状本文は下記にあります。



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