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執筆者の写真林田医療裁判

Belmont Report

更新日:2021年5月22日

Belmont Reportは医学研究の重要な倫理原則である。研究における被験者の保護のための倫理原則と指針をまとめている。これは米国のThe National Commission for the Protection of Human Subjects of Biomedical and Behavioral Research(生物医科学と行動研究における被験者の保護のための国家委員会)の報告書である。


The principle of respect for persons thus divides into two separate moral requirements: the requirement to acknowledge autonomy and the requirement to protect those with diminished autonomy.

「人格の尊重の原則は2つの道徳的要件に分かれる。すなわち、自律性を認めることと、自律性が減弱した人々を保護することである」(笹栗俊之訳)


To show lack of respect for an autonomous agent is to repudiate that person's considered judgments, to deny an individual the freedom to act on those considered judgments, or to withhold information necessary to make a considered judgment, when there are no compelling reasons to do so.

「自律的な主体者の尊重を欠くということは、やむを得ぬ理由がないにもかかわらず、その人が熟慮した上で行った判断を拒絶すること、熟慮した上で行った判断に基づいて行動する自由を否定すること、あるいは、熟慮した上で判断するのに必要な情報を与えないことである」(笹栗俊之訳)


Belmont Reportは医学研究以外の分野にも適用される。DMBOKではデータの倫理原則に適用している。ここでは保護についての説明が分かりやすい。「個人の「自律性が損なわれている」場合、その尊厳と権利を守るために特別な注意を払うことも求めている」(DAMA International著、DAMA日本支部、Metafindコンサルティング株式会社監訳『データマネジメント知識体系ガイド 第二版』日経BP社、2018年、76頁以下)。保護は公務員的発想では管理強化になるが、それは誤りである。個人の尊厳と権利を守るための対応である。


#林田医療裁判 (平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償請求控訴事件)はBelmont Reportの観点でも問題がある。患者の長男は「延命につながる治療を全て拒否」で治療方針を決定することは人格の尊重ではない。




閲覧数:1,641回1件のコメント

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1 Comment


林田悦子
林田悦子
May 27, 2021

中野相続裁判で相手方は、茶道具の分割に必要な資料の写真を不鮮明にして提出した。選出の為の情報を与えたくないものと考えてしまいました。

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