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執筆者の写真林田医療裁判

公開質問状(43)社会的説明責任

更新日:4月30日

佼成病院へ公開質問状(43)を送付致しました。

佼成病院では、本年8月1日より市村正一医師が院長に就任いたしました。そこで新しい時代に向かい管理者はアカウンタビリティ社会的説明責任を実行する必要があることを述べました。

ご覧いただければ幸いです。


立正佼成会附属佼成病院 病院長 市村正一 様

公 開 質 問 状(43) 2022年8月20日

 前略

市村病院長先生におかれましてはご健勝にお過ごしのこととお喜び申し上げます。43回目の公開質問状をお送り致します。今回は、「アカウンタビリティ」について学習致しました。もちろん院長先生は、ご存知だと思いますが、私達は、患者主体の医療を進めるためには、市民一人一人が医療についての意識を高めることが必要である、と考えるからです。

医療は、国民の健康と生命に関わるものであるだけに公的に保護されていると同時に高い説明責任が課せられています。この公共的立場を自覚して、公開質問状に真摯に向き合うことを要望致します。


公開質問状(18)でも述べましたが、アカウンタビリティについての以下の説明は佼成病院にとっても有益であると考えます。アカウンタビリティという言葉が使われますが、この真の意味は、単に説明をするということではなく、説明した内容を実行していることを証明する、さらに誤りがあれば責任を持って訂正する、というところまでが含まれます(寺田眞治「「ポストコロナのデータプライバシー 社会実装に向けて」(第4回)日本におけるこれからのデータプライバシー」第94回JIPDECセミナー2020年5月28日)。


新しい時代に向けて管理者は、適切にアカウンタビリティを実行する必要があります。社会的責任・説明義務を果たすことがその後の評価につながるからです。これからの時代は、開かれた医療を進める為にアカウンタビリティは不可欠です。いつまでも逃げている時代ではありません。病院長がアカウンタビリティを履行するためには、病院内一人一人の意識改善が必要であることを伝え病院全体で体制を構築する必要があります。是非、病院内の皆様と話し合い医療の透明性・社会的説明責任を果たすために病院全体の意識改革を行ってみてはいかがでしょうか。


企業の経営者や責任者の口から「アカウンタビリティを果たしていく」「リーダーにはアカウンタビリティスキルが求められる」などの言葉が述べられることがあります。これらの言動からイメージできるように、アカウンタビリティの主な目的は情報開示と社会的責任を果たすことです。社会的責任を果たすという目的は、主に政府や地方自治体の目的ですが、利益を追求する企業においても社会的責任が強く求められる場合もあります。民間企業におけるアカウンタビリティの事例として、よく取り上げられるのは医療機関です。

 医療機関では検査や治療について十分な事前説明を行い、患者が納得したうえで同意を得る「インフォームドコンセント」という考え方がよく知られています。

 しかし、このインフォームドコンセントとアカウンタビリティは同じではありません。アカウンタビリティの対象範囲は、どのような検査や治療を行ったのか、その結果どうなったのか、などの情報を隠さず説明、記録することです。つまり、説明する内容は異なるものの、基本的には企業が投資家に会計情報を公開するのと同じようなことが、医療機関が医療費を支払っている患者に対して果たすアカウンタビリティによって実現されています。

病院としてアカウンタビリティの考え方を普段から持っておくことで、医療従事者自身も自分の行動や言動に対して責任を持つようになり、仕事の質がどんどんと向上していくことが期待されます。合わせて、そのような文化を作っていくには、しっかりと企業理念やバリューなどで明言し、少しずつ従業員に浸透させていくことが必要です。幸い佼成病院には、「正しくみて正しく手当する」素晴らしい理念と、「患者さんとご家族に信頼され、地域で喜ばれる病院を目指します」などの基本方針があり、「人格や価値観が尊重され、医療を受けることが出来ます」など患者の権利があります。社内コミュニケーションを活性化して素晴らしい理念、基本方針、患者の権利を浸透させてはいかがでしょうか。


かつての日本の医療では、患者は、医師のやり方に一方的に従うだけでした。それが少しづつ進歩していき現在では多くの病院が患者の権利の章典を掲げています。先人達の努力によって少しづつ変化していくこの努力の過程が重要であると考えます。そして、やがては世界の先進諸国に自慢できる医療になることを願っています。


いつものように第1回公開質問状を以下に掲載しました。市民の疑問に向き合い説明責任を果たすことによって健全性、透明性をアピールできます。温かいふれあいを実践することによって患者・家族に信頼され、地域で喜ばれる医療になります。この質問状は、ご回答の有無に関わらずネット上に公開させていただき皆様と共に学習いたします。市民と共に議論を深め開かれた医療を進める為の一助になれば幸いです。

草々


公開質問状本文は下記にあります。



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