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執筆者の写真林田医療裁判

林田医療裁判の公開質問状59心拍変動1/fスペクトル解析

12月になりましたが、お変わりございませんでしょうか。

立正佼成会附属佼成病院病院長先生宛に公開質問状(59)を送付しました。

佼成病院の担当医師は、長男の治療拒否・酸素吸入拒否に応じて患者の酸素マスクを外しました。

呼吸困難で喘いでいる患者の面前で「苦しそうに見えますが今お花畑です」と家族に説明しました。

重篤患者は、苦痛がないのかどうかを研究した論文がありました。この研究では、担当医師の言葉「・・お花畑」とは合致していないことが分かりました。

ご覧いただければ幸いです。



立正佼成会附属佼成病院 病院長 市村正一 様

公開質問状(59) 2023年12月5日


 前略

月日の経つのは早いもので今年もカレンダー1枚になりました。甲能前病院長先生が、私達の面談をお断りなされて、公開質問状にも一度もお返事がないまま市村現病院長先生に引き継がれ59回目の公開質問状になりました。


林田医療裁判の高齢女性患者は、担当医師の理念によって一度も治療方針についての意思確認をされないまま死が決められました。治療を中止され、呼吸困難になっても酸素マスクもされず、呼吸困難で喘いでいました。担当医師が家族らにした説明は、「苦しそうに見えますが今お花畑です。」と言うのみでした。何も知らない家族は、母の治療は尽くされている、と医師の治療を信じていました。

死に顔は酷く苦しそうでした。誰でも愛する肉親の臨終の場面は目に焼き付いて決して忘れることのできない場面だと思います。


後藤幸生、中川隆、重見研司「生命終末期燃え尽き現象とレム期の夢情動反応 Balance index(心拍変動1/fスペクトル解析による)を指標に」循環制御39巻3号(2018年)は死の間際の状態を研究した論文です(Difference between a fantasy at the ‘End-of-life’ and an emotional reaction of REM-sleep using the 1/f-like spectral analysis of the heart rate variability and Balance index)。重篤状態で終末期を迎えた患者が苦痛なしに平穏に最後を迎えたか、苦しみながら亡くなったかを研究しています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ccm/39/3/39_180/_article/-char/ja/


論文は、意識障害がある場合でも大脳皮質以外の脳中枢内の各部署から錐体外路系情報として、認知情動情報が伝達されている可能性を指摘しています。「例え大脳皮質障害で意識障害があっても、そこ以外の脳中枢内の各部署から錐体外路系情報として、やや曖昧ながらも認知情動情報は伝達されている」(182頁)。


これは、患者の意識が低下している場合でも、心拍変動や夢情動反応が、終末期における状態を理解する上で重要な手がかりとなる可能性を示唆しています。患者は、状態が深刻である場合でも、彼らの内部で何らかの情報が伝達されている可能性があります。患者は認識や感情を経験している可能性があります。自分の意識を他者に伝えられないということと自分が何も感じていないことは別問題です。


林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償請求控訴事件)では担当医師が呼吸困難であえいでいる患者に対して「苦しそうに見えますが今お花畑です」と説明しました。しかし、この研究からは医師の説明は実際の患者の状態と合致していないことが分かります。医師の説明は現実に即しておらず、患者が苦しんでいる状態を正確に表現していないことが論文から理解できます。


林田医療裁判は、医療者が患者の状態を的確に伝えることの難しさを示しています。「お花畑」と決めつけるのではなく、患者の状態に対する理解を深め、患者の苦痛を評価することが求められています。林田医療裁判は医療現場でのコミュニケーションの重要性や患者の実際の体験と医師の説明との齟齬を教える事例となります。医療の向上と患者ケアの向上に向けて科学的かつ倫理的な視点からアプローチすることが重要です。


佼成病院では、キーパーソン(患者の長男)が治療を拒否すれば従い、キーパーソンが酸素マスクを拒否すれば従いました。高齢者は、どうせもうすぐ死ぬのだから酸素マスクはしないでもいい、というお考えなのでしょうか?疑問でなりません。また、患者にとっても家族にとっても最期の大事な場面である看取りについてのお考えもお聞かせください。


いつものようにご回答がないままになっています第1回公開質問状を以下に記載します。患者家族の疑問に向き合い、皆様で考えることによって病院内部の改善に繋がり再発防止になることを願っております。この質問状はご回答の有無に関わらずネット上に公開して市民と共に議論を深め開かれた医療を進めるための一助にしたいと考えます。宜しくお願いします。

                                 草々


公開質問状本文は下記にあります。




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