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執筆者の写真林田医療裁判

世界食糧デーWorld Food Day

10月16日は世界食糧デーWorld Food Dayです。この日は、世界の食料問題に対する理解を深め、飢餓や栄養不良に苦しむ人々への支援を呼びかける国際デーです。2024年のテーマは「Right to foods for a better life and a better future(食への権利を、より良い生活と未来のために)」です。このテーマは、すべての人々が健康的で安全な食事を得る権利を持つことを強調し、より良い未来に向けて私達が今何をすべきかを問いかけています。


●世界の飢餓の現状:食料の生産量は十分なのに…

2024年の統計によると、世界ではおよそ7億8,300万人が飢餓に直面しています。飢餓の原因は、単に食料の生産量が不足しているからではありません。実は、地球上の全ての人が十分に食べられる量以上の食料は生産されています。それにもかかわらず、なぜ飢餓は解消されないのでしょうか?その理由は、食料の分配の不均衡、貧困、紛争、自然災害、さらには気候変動といった複雑な要因が絡み合っているためです。


さらに、飽食の社会が一方に存在する一方で、フードロス(食料廃棄)の問題も深刻です。日本を含む先進国では大量の食べ物が捨てられています。食品ロスは全世界約13億トン、日本は約523万トンです。フードロスの問題は飢餓解消のために早急に取り組むべき課題となっています。


●「食への権利」を実現するために:SDGsの目標を再確認

世界食糧デーのメッセージは、持続可能な開発目標(SDGs; Sustainable Development Goals)のGoal 2「飢餓をゼロに」とつながります。この目標は、2030年までにあらゆる形態の飢餓を終わらせ、すべての人が年間を通じて十分かつ栄養のある食事を得られるようにすることを目指しています。


しかし、現状を見れば、達成にはまだ多くの課題が残されています。飢餓に苦しむ人々は、十分な食料にアクセスできないだけでなく、安全で栄養価の高い食事を得ることもできていません。この問題は特に貧困層や紛争地帯の人々、さらには気候変動の影響を受けやすい地域の人々に顕著に見られます。


●医療消費者としての視点:健康を支える食事とは?

医療消費者の視点では健康的な食事は生活の質を向上させる基本的な要素です。私たちが日々口にするものは、ただの栄養摂取ではなく、体調や病気の予防、さらには治療にまで大きな影響を及ぼします。バランスの取れた食事を取ることは、心臓病や糖尿病などの生活習慣病の予防にもつながりますし、免疫力を高め、感染症に対する抵抗力をつけることにもつながります。


しかし、健康的な食事を取ることができるのは、食料の確保が十分であり、さらにその選択の自由があるからです。もし私たちが飢餓に直面していたら、選択の余地などありません。日々の食事をどのようにして確保するか、あるいは限られた食料をどう分け合うかという問題に直面します。そのような状況では、健康的な食生活など望むべくもありません。そのため、医療消費者としても、「食への権利」を支援することは健康を守るための基盤づくりです。


●飢餓の解消と医療消費者としてできること

私達一人ひとりが食料問題に関心を持ち、行動を起こすことが求められています。まずは、日常生活の中での食料の無駄を減らすことが最も身近なアクションです。以下の取り組みを考えてみましょう。


フードロスを減らす

必要以上の買い物をしない、期限切れになる前に食材を使い切るなど、家庭内での工夫を行いましょう。


食品ロス削減に取り組む活動に参加する

地域のフードバンクや寄付活動に参加することで、飢餓に苦しむ人々への支援が可能です。


健康的な食事を選ぶ

自分の健康を守るだけでなく、環境に配慮した選択(例: 地産地消、有機農産物の購入など)をすることで、持続可能な食料生産を支えることができます。


●世界食糧デーを自分ごとに

飢餓や栄養不良は、遠い国の話ではなく、私達一人ひとりが取り組むべき世界的な課題です。世界食糧デーを機に、私達の食生活を見直し、無駄のない消費を心がけるとともに、「食への権利」を全ての人々が享受できる社会づくりに参加していきましょう。それこそが、より良い生活と未来を実現するための第一歩です。



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