中野相続裁判の第二幕となる裁判(第二次中野相続裁判)が東京地方裁判所から、さいたま地方裁判所に移送された。問題は長男夫婦が長女の住所地ではなく、自分達の住所地の東京地方裁判所に提訴したことである(平成30年(ワ)第2851号 共有物分割請求事件)。相手の応訴しにくい場所で提訴することはSLAPPの一形態である。以下に移送までの経緯をまとめた。
2018年1月30日、長男夫婦が提訴。訴状の原告住所が間違っており、手書きで訂正線を引いて修正されている。
2月15日、長男夫婦が訴状訂正申立書を提出。恐らく東京地方裁判所から管轄違いを指摘されたためと思われる。訴状訂正申立書は「被告が御庁において応訴するものと思料されること(民事訴訟法12条)から、御庁に申立に至った」とあるが、出鱈目である。
民事訴訟法第12条は「被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する」と応訴した場合の管轄を定めている。被告が応訴するものと思料されることの根拠にはならない。勝手に相手方が自分の思い通りに行動するとは思わないことである。
3月5日、長女側が民事第17部合議B係に対し、民事訴訟法第16条1項に基づき、移送を申し立てる。事件番号は平成30年(モ)第2140号。
3月6日、長男夫婦側が「移送申立に対する同意書」を提出。「原告らはこれに同意するとともに、これに対する即時抗告権を放棄します」
3月7日、東京地方裁判所民事第17部は、さいたま地裁に移送する決定を出す。「一件記録によれば、本件訴訟は、当裁判所の管轄には属さず、さいたま地方裁判所の管轄に属することが明らかである」
被告の住所地で裁判を起こすという当たり前のことさえ、移送申し立てという余計な手間を相手にかけさせる。第一次中野相続裁判でも長男は、自らが手書きで書いたデタラメの計算式で過小評価した土地に関する税務書類の作成者を「国税庁」作成と偽って裁判所に提出した(乙第14号証)。弁論準備手続きにおいて長女が「国税庁が一民間人の納税書類を作成するわけがない」などと追及し、長男は「俺が書いた。数字も全部俺が書いた」と自認した。このように長男の主張は身勝手なものであり、全て吟味する必要がある。長男の正しさとは、相手を無視する誤った道の中の正しさに過ぎない。
移送の決定により、3月12日に予定していた第一回口頭弁論は取り消された。移送後は、さいたま地方裁判所第5民事部合議部に係属する。事件番号は平成30年(ワ)第552号。
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