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執筆者の写真林田医療裁判

中野相続裁判さいたま地裁第1回弁論準備手続

更新日:2021年4月18日

#中野相続裁判 Nakano Inheritance Trial #さいたま地裁 第17回期日(第1回弁論準備手続)が開かれた。

事件番号:平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件

日時:2021年3月19日(金)11時15分

場所:さいたま地方裁判所C棟一階105法廷

裁判所構成:石垣陽介裁判長、玉本恵美子裁判官、牧野一成裁判官


第17回期日は1月29日を予定していたが、コロナ禍で延期していた。中野相続裁判は2020年4月の第14回口頭弁論も延期された。第17回期日は口頭弁論を予定していたが、弁論準備手続きとなり、当事者は電話会議で参加した。非対面非接触の選択肢を増やすことは良いことである。


新型コロナウイルス感染抑制の「対策としては、人と人の接触を減らす、人出を減らすことしかない」とされる(「緊急事態宣言、4週間程度の延期が望ましい 効果確認のため最低でも3月末まで」時事メディカル2021年3月16日)。電話会議は「人と人の接触を減らす、人出を減らす」対策に寄与する。


新型コロナウイルス感染症の拡大により、非対面非接触のNew Normalへの対応が求められている。New Normal対応は民間企業だけが頑張ればよいというものではない。あらゆる組織が旧来のやり方を見直す必要がある。コロナ禍はDigital Transformationの重要性を増している。訴訟当事者の負担を減らし、利便性を高める選択肢を増やしていくことが求められる。


一方でNew Normal対応を名目として裁判の公開原則(日本国憲法第82条第1項)の形骸化に拍車をかけることを懸念する声も出ている。この点は警戒しなければならず、中野相続裁判では引き続き情報公開に力を入れてく。患者の権利と相続の公平の輪を広げられるように力を尽くしていく。


長女側は準備書面(11)と乙第75号証を事前送付した。乙第75号証は「結婚の自由をすべての人に」訴訟東京弁護団・原告「裁判長、同性婚訴訟の原告から「本人尋問」の機会を奪わないでください」のWeb画面である。これは本人尋問の採用を裁判所に求めるインターネット署名の取り組みである。証拠作成時点(2021年1月21日)では署名賛同者12406人であった。


準備書面(11)は乙第75号証に基づいて「本人尋問は裁判を受ける権利(憲法32条)の問題である」と主張する。インターネット署名の反響から「これだけ多くの声が尋問の必要性を求めている。本訴訟でも採用をお願いしたい」と記載する。


これらの文書に基づいて第17回期日では長女側は証人尋問に言及したが、まだその段階ではないと遮られた。「結婚の自由をすべての人に訴訟」では札幌地裁で違憲判決が出たばかりである。ホットな時期であるために、話題にしたくないのだろうか。


第17回期日では先ず茶道具のジャンルの範囲について議論された。長女側の主張は明確である。裁判所は当初、茶碗とそれ以外の二つのジャンルに分けると述べた。ところが、紙で出てきた案は茶碗・茶器とそれ以外の二つのジャンルに変わっていた。ジャンル分け事態に合理性がなく、ジャンル分けがない方が好ましいが、裁判所案を「茶碗とそれ以外」としたならば、それを貫いて欲しいということである。言葉の意味として茶器が茶碗に含まれるという解釈は存在しない。


次に茶道具の選択順序が議論された。この点も長女側の主張は明確である。交互に選択していくことが公平である。ところが、長男側の代理人の松木隆佳弁護士は、数的平等というならば長男側は3/5を先に取ると主張した。長女側は一方が先に多くとることが不平等であるから、交互に取ることが平等と主張している。それを無視して、自分のことしか考えていない。弁護士法第1条第1項「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とします」に反している。


松木隆佳弁護士の話し方も問題である。相手を馬鹿にするかのように笑いながら話した。相手に不快感を与えることには成功している。


譲歩と言うと、長男側は仏壇へのお参りやブログ削除を要求したが、その撤回を譲歩と主張するかもしれない。しかし、これらは信教の自由や表現の自由の侵害である。絶対あり得ない要求を吹っかけておいて、譲歩したというポーズをとることは卑劣である。


それを高等戦術と言うならば、外国人観光客に吹っ掛けた価格で販売する、発展途上国のインチキ土産物屋のレベルである。日本では江戸時代の時点で「現金掛け値なし」で三井越後屋が定価販売を始めた。江戸時代からの定価販売の蓄積があるから、日本はアジアでいち早く資本主義を発展させることができた。発展途上国のインチキ土産物屋のような手口は、先進国のビジネスパーソンから見れば軽蔑の対象になる。


裁判所は長女側に対して、実質的な価値を自分で選択することで実現することを求めた。その論理を貫くならば、全ての物件に対して現物確認を保障する必要がある。第6回口頭弁論における裁判所の「現物を見ないと選べない。その機会を保障しなければならない」発言が実現されなければならない。そこなしで選択の自己責任だけ押し付けられることはアンフェアである。不利な状況を個人の頑張りで何とかしようとすることは昭和の精神論根性論であり、頑張ることに価値はない。


次回期日は2021年5月14日(金)午後1時30分から、さいたま地裁C棟105号法廷である。口頭弁論の予定であるが、新型コロナウイルス感染状況によっては臨機応変に対応するとした。



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