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  • 執筆者の写真林田医療裁判

中野相続裁判さいたま地裁の第14回口頭弁論

更新日:2021年2月4日

中野相続裁判さいたま地裁はSDGs Target 1.4相続財産の平等な権利確保を目指します。

第17回口頭弁論はコロナ禍のため2021年3月19日(金)11時15分からに延期されました。



中野相続裁判さいたま地裁の第14回口頭弁論が開かれました。新型コロナウイルス感染症が心配されていた中での傍聴ご支援また遠方よりのご支援ありがとうございます。

事件番号:平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件

日時:2020年7月19日(金)午後1時10分

場所:さいたま地方裁判所C棟一階105法廷

裁判所構成:石垣陽介裁判長、玉本恵美子裁判官、牧野一成裁判官


裁判官が石垣陽介裁判長、工藤正裁判官、高津戸朱子裁判官から変更になった。長女側は次回期日に更新弁論を行うとした。これは民事訴訟法249条第2項「裁判官が代わった場合には、当事者は、従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない」に基づくものである。


長女側は準備書面(7)を陳述した。長女側の代理人は「意見陳述書」を読み上げた。

***

裁判長は、2019年4月5日第6回口頭弁論において、「現物を見ないと選べない。その機会を保障しなければならない」と述べられました。

それは、長女が、長男夫婦と異なり、現物を見ることが出来ず査定の機会がなかったことから、長女に現物を見る機会を保障しようとしたものだと理解します。従って、そこに他の交換条件が介在する余地のないものです。

長男夫婦は茶道を一つのジャンルだけの選択に偏るのを避け、各ジャンル分から広く選択できるようしたいと述べています。しかし、それは長男夫婦の事情と都合に基づくものであって、公平ではありません。

そこで、ジャンル分けをしないで、長男夫婦も長女も必要とする物や思い出の品など好きな物を選べる方法が自由かつ公平です。

***


準備書面(7)の論点は茶道具の分割についてジャンル分けをするか否かである。長男側はジャンル分けを主張したが、長女側はジャンル分けをしないことを主張した。長男夫婦側は茶道具を一つのジャンルだけの選択に偏るのを避け、各ジャンルから広く選択できるようしたいと主張する。しかし、それは長男夫婦側の事情と都合に基づくものであって、公平ではない。


準備書面(7)では以下のようにプロ野球のドラフト制度からもジャンル分けしないことが公正と主張した。「社会的にみても、プロ野球のドラフトではポジションに関係なく順位付けする。投手や内野手、外野手と選手をジャンル分けしてドラフトすることはない。どのジャンルの選手を強化したいかはチームの戦略であるとされている」


このドラフト制度のたとえは裁判官にも響いたようで法廷でも裁判長が「実質的公平に適う」と論評した。第13回口頭弁論ではジャンル別とジャンル無しは、どちらも公平さは変わらないと考えているとしながら、一方的にジャンル別で進めており、聞く耳を持たない印象があった。準備書面(7)の提出に効果があった。COVID-19による期日延期で書面をじっくり読む時間ができたのだろうか。裁判官の交代が良い影響を及ぼしたのか。


裁判所は折衷案として、茶碗とそれ以外という2パターンのみでジャンル分けをする案を提案した。即答できるものではないため、それぞれ持ち帰って検討を求めた。


長男側は茶道具分類ノートと茶会記の写しを提示した。これは長女側が文書提出命令申立書で求めていたものである。しかし、その内容が問題であった。


茶道具分類ノートは母が手書きで書いたノートであるが、提示されたものは他者が書き換えており筆跡が違っている。わざわざ青字で書いていた。口頭弁論後の報告集会では「青字というのが嫌ですね」との意見が出た。


余りの心ない仕打ちに長女は衝撃を受け、具合が悪くなってしまった。身心共に苦痛になり、ノートとまともに向かい合うことが出来ないでいる。長男夫婦の遺品の管理責任を追及しない訳にはいかない。全部を書き換えるのは嫌がらせのつもりか。親の遺品を目茶苦茶にしてやれということか。


茶道具分類ノートは提訴前の協議の当初から提示やコピーを求めていたが、拒否され続けていた。裁判で写しを提示した時は常に改ざんが加えられていた。結局のところ、そのまま提示したことは一度もない。自分では譲歩していると述べるが、何ら譲歩していない。


茶会記は茶道具の価値を調査するためのものである。長男側代理人の松木隆佳弁護士は「茶会記に掲載されている茶道具はレンタルしたものもあり、所有しているとは限らない」と述べたが、長女側の意図を曲解するものである。長女は茶会記を茶道具の価値の確認のために求めている。この主張は一貫している。長男夫婦は多くの茶道具を0円と評価するが、茶会に使われるような茶道具が0円の訳ではない。


また、茶会記は2部作成する。長男夫婦側が提出した茶会記には同じものが入っており、ダブっている。同じものを出しても意味がない。数だけ合わせても意味がない。他にないと言うならば隠しているか、処分したか。そもそも長男側が茶会記の開示を断固拒否してきたから、今もトラブルになっている。


法廷入口の案内では終了時刻が2時半までになっていた。予告なく大量の証拠調べや証人尋問を行うのかと身構えていたが、そのようなことはなく、1時半で終了した。

第14回口頭弁論は2020年4月10日に開かれる予定であった。この日は聖金曜日Good Fridayである。キリスト教の復活祭前の金曜日である。キリストの受難と十字架の死を記念する。シンガポールでは祝日になっている。


第14回口頭弁論は新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)拡大を受けて延期された。日本政府は4月7日に緊急事態宣言を出した。それを受けた延期である。東京地方裁判所は7日のうちに8日から5月6日までに予定されていた裁判の多くの延期を発表した(「「緊急事態宣言」受け あす以降に予定の裁判 多くが延期に」NHK 2020年4月7日)。民事事件では仮処分・仮差押えなどの保全事件のうち特に緊急性のあるものを除いて延期される。さいたま地方裁判所からは8日に延期の連絡があった。


中野相続裁判訴訟団は「傍聴は皆様のご健康を最優先してください。後日裁判報告をさせていただきます」とアナウンスしていた。口頭弁論の延期は訴訟当事者の健康を第一に考えた判断である。




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