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  • 執筆者の写真林田医療裁判

中野相続裁判さいたま地裁の第13回口頭弁論

中野相続裁判さいたま地裁第17回口頭弁論(2021年1月29日)はコロナ禍のため延期されました。29日の裁判は開かれませんのでお間違え無いように。次回期日は3月19日(金)11時15分からです。引き続きご支援をお願い致します。


中野相続裁判さいたま地裁の第13回口頭弁論が開かれました。新型コロナウイルス感染症が心配されていた中での傍聴ご支援また遠方よりのご支援ありがとうございます。

事件番号:平成30年(ワ)第552号・共有物分割請求事件、平成30年(ワ)第2659号・共有物分割請求反訴事件

日時:2020年2月28日(金)午後1時10分

場所:さいたま地方裁判所C棟一階105法廷

裁判所構成:石垣陽介裁判長、工藤正裁判官、高津戸朱子裁判官


茶道具の分割は現物確認の機会を保障することが前提である。第6回口頭弁論(2019年4月5日)で裁判長は「現物を見ないと選べない。その機会を保障しなければならない」と話された。アリバイ的にごく一部の茶道具を見て終わりというものではない。長男夫婦側の時間的物理的都合で制限されるならば前提を満たさない。ところが、長男夫婦の代理人は2020年2月28日第13回期日で「現実的ではない」と述べた。長男夫婦の都合で限定的な確認になるならば機会の保障は満たされない。これは当初の話と異なるので、当然のことながら応じる訳にはいかなくなる。


仏壇のお参りや立会人について譲歩したとするが、仏壇のお参りはそもそも他人に強要する筋合いのものではなく、立会人を誰にするかは共有権者の専権である。無理筋の要求をして引っ込めたから譲歩したとするのは卑劣な交渉技術であって、それを譲歩とは言わない。


裁判所は第10回期日(2019年11月1日)では簡明な手続きが良いとして、ジャンル関係なしで選択する形で考え直すとした。ところが、第13回期日(2020年2月28日)ではジャンル別とジャンル無しは、どちらも公平さは変わらないと考えていると述べた。長女は意見書でジャンル別は非合理であり、ジャンル無しが公正と主張している。しかし、仮にジャンル別とジャンル無しはどちらも変わらないとした場合でも、シンプルな手続きである分、ジャンル無しに利点がある。


何が欲しいかは各人によって異なる。茶人であるならば各々既にコレクションがあり、自分に足らないものを重点的に取得する。ジャンル満遍なく必要とするものではない。足りないところを強化できることが選択のメリットであり、ジャンル別に制約を課されるならば自由に競売した方がましである。


現実にプロ野球のドラフトではポジションに関係なく順位付けする。投手や野手と選手をジャンル分けしてドラフトすることはない。長男夫婦はジャンル満遍なく取得しないと茶道教室が運営できないと主張するが、それは母の遺産に全ておんぶに抱っこしてもらっていることになる。外部には主張できない本来ならば恥ずかしい主張である。


ジャンル分けの弊害は、ジャンル満遍なく取得することにある。たとえば「私は掛け軸のコレクションは充実しており、掛け軸を補強する必要はない。むしろ別の種類の茶道具を重点的に欲しい」という場合も、掛け軸から選択しなければならなくなる不合理がある。逆に各ジャンル満遍なく取得したいならば、ジャンル分けしない場合でも、満遍なく高順位に上げればよい。相手の高順位の選択と被って取得できなくなる可能性は否定できないが、ドラフト制度である以上、その可能性はある。それも含めて順位付けの戦略になる。


ジャンル分けは長男夫婦の希望が織り込み済みの選択方法である。長男夫婦の負けが保証されないゲームに付き合わされることは不公正である。長男夫婦の一方的な選考を前提とした分割は不公正である。



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