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  • 執筆者の写真林田医療裁判

大津市民病院の医師9人がパワハラで退職意向

地方独立行政法人・市立大津市民病院(滋賀県大津市本宮)の「外科・消化器外科・乳腺外科」の医師9人(常勤医8人全員と非常勤医1人)が2022年2月に退職の意向を示している。医師らは「病院の幹部の判断で退職しなければいけなくなった」と主張している(「滋賀・大津市民病院 医師9人が退職の意向で診療に影響の可能性」読売テレビ2022年2月16日)。


9人は京都大外科学教室から派遣されたチームで、2021年9月、北脇城(じょう)理事長(京都府立医科大名誉教授)が「主たるチームを京都府立医科大にかえたい」と発言。この際のやり取りで外科医側は退職強要のパワーハラスメントがあったと訴えた(菱山出「大津市民病院の外科医9人が退職意向 「パワハラ」めぐり争い」朝日新聞2022年2月15日)。


病院の経営側と医師側で、理事長の言葉でパワーハラスメントがあったかなかったかで、対立している(「大津市民病院 医師9人退職か/滋賀」BBCびわ湖放送2022年2月15日)。病院内部の検証ではパワハラと認定されなかった(「大津市民病院、医師9人が退職意向 理事長からの「強要」主張」毎日新聞2022年2月15日)。外科統括診療部長らは、理事長の発言をパワハラと指摘し、第三者委員会が検証している(「大津市民病院の医師9人退職へ 「理事長発言、パワハラ」」中日新聞2022年2月16日)。


大津市民病院の担当者は「医師の入れ替えは強要したのではなく、提案したものと認識している」と説明する(「大津市民病院 医師9人が相次ぎ退職の意向 手術などに影響の恐れ」京都新聞2022年2月15日)。立場の違いを無視して、都合が悪くなると通常のコミュニケーションだったと逃げることは卑怯である。昭和のコミュニケーション至上主義は有害である。


9医師は連名で2022年2月、経営陣の判断によって3月末から6月末にかけて退職することになったとの文書を患者に配布した。既に退職届を提出した医師もいる(「「9医師が退職意向」と医師側文書 大津市民病院が弁明」産経新聞2022年2月16日)。京大は2月14日、病院に対し「チームを派遣しない」と通告した。大津市民病院は2月15日、医師を送り出している京都大からの医師派遣が見込めず、同診療科では軽症患者の手術しか実施できなくなる恐れがあることを明らかにした(「大津市民病院、手術は軽症のみの恐れ 医師9人退職意向、京大から派遣見込めず」京都新聞2022年2月16日)。



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