日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針は以下の確認事項をもうけています。
「代理判断者の意思表示は,患者の立場に立ったうえで,真摯な考慮に基づいたものですか?」
「特に、家族等の判断や決定は、本当に『患者本人の意思を推定あるいは反映しているのか?』、もしかしたら『家族自身の願望とか都合ではないのか?』という倫理的に微妙な違いに敏感になる必要があります」
「家族等(代理判断者)は、患者と利益相反はありませんか?」
「家族等(関係者)内で、意見の相違はありませんか?」
「代理判断者の意思表示は,患者の立場に立ったうえで,真摯な考慮に基づいたものですか?」
この確認事項は、代理判断者が患者の立場に立ち、真摯な考慮をもって意思表示を行っているかを確認するものです。自ら意思を伝えることが難しい患者の場合は、家族や代理判断者が重要な役割を果たします。患者の価値観、信念、希望に基づいた決定が重要であり、代理判断者はこれらを尊重し、患者の意思を可能な限り正確に反映するよう努める必要があります。
「特に、家族等の判断や決定は、本当に『患者本人の意思を推定あるいは反映しているのか?』、もしかしたら『家族自身の願望とか都合ではないのか?』という倫理的に微妙な違いに敏感になる必要があります」
この指針は、代理判断者の中でも特に家族などが患者の意思を正確に推定・反映しているかどうかを確認する重要性を強調しています。家族は患者との密接な関係にあるため、自身の感情や願望が介入してしまうことがあります。しかし、家族の願望と患者の意思を区別することが重要であり、倫理的な観点から敏感に判断する必要があります。
「家族等(代理判断者)は、患者と利益相反はありませんか?」
この確認事項は、代理判断者が患者の利益を最優先に考慮しているかを確認するものです。代理判断者は患者の代わりに意思決定を行う責任がありますが、自らの利益と患者の利益が衝突しないよう注意が必要です。患者の最善の利益を追求することがポリシーとして重要視されています。
「家族等(関係者)内で、意見の相違はありませんか?」
代理判断者や関係者の間で患者の治療方針について意見の相違がないかを確認するものです。家族や関係者が意見の相違を抱えている場合、代理判断者だけの意見が患者の意思を推定することにはなりません。患者の希望を最も正確に反映できるように努める必要があります。
医療従事者や代理判断者がこれらを理解し、患者中心の医療を提供することが大切です。あらゆる患者に対して適切な治療方針を確立し、患者の尊厳を尊重することが目指されています。
日本臨床倫理学会「日本版POLST(DNAR指示を含む)作成指針」
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