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執筆者の写真林田医療裁判

Zoom勉強会 ヒトのいのちとからだを人為的に作る研究の進展とその倫理的問題

6月6日のNHKスペシャルの2030未来への分岐点 (4)“神の領域”への挑戦?ゲノムテクノロジーの光と影~を見られた方大勢いらっしゃると思いますが、あの番組のように人間の受精卵のゲノム編集技術の研究が実際に行われているようです。今後、人間が人間を造っていく技術が進んでいくようで憂慮されます。

なかなか、聞けないご講演です。Zoomとなりますが、どこからでもご参加いただけます。是非とも多くの方にご参加いただけたら幸いです。


(1)2021年3月26日、ヒト多能性幹細胞(ES,iPS)からの胚盤胞様構造(blastoid )の作成に成功したという報道がありました(iPS PORTAL)。(2)4月16日には、「中国と米国の研究チームが、世界で初めてヒトの細胞をサルの胚に注入して異種の細胞をあわせもつ「キメラ」をつくったと、15日付で米科学誌「セル」(電子版)に発表した」という報道がありました(朝日新聞)。

 どちらも人のいのちのあり方を大きく変えてしまう可能性をもった生命科学研究の進展です。前者はヒトの生命を体外で作る上で大きな進展です。多能性幹細胞は胚盤胞のなかにあるものを胚性幹細胞(ES細胞)として取り出す(マウス1981年、ヒト1998年)というところから研究が進められてきました。受精卵から作るものですから、いのちの元になるものは卵子と精子の合体によって、つまりは両性生殖を経てできるものです。

 ところが、山中伸弥教授により、ふつうの細胞から人工多能性幹細胞(IPS細胞)が作られるようになりました(2006年)。生殖なしにヒトのからだ全体の元になる幹細胞を作ることができるようになったのです。しかし、それでも多能性幹細胞の容れ物の役割を果たす胚盤胞を作ることは、まだできなかったのです。いよいよそれすらできるようになる見通しが開けたというのがこの(1)の3月26日の報道です。

 また、動物の胚にヒトの幹細胞を入れて育て、やがて動物の中にヒトの組織を作るための研究が進められています。うまくいくようになれば、動物のなかでヒトの心臓などの臓器を作り、それを移植することで脳死の人からもらうのではとても足りない臓器移植を、拒絶反応なしにできるかもしれない。そのための端緒として、サルの胚の中にヒトの幹細胞を入れ、ある程度まで育てたというのが、(2)の4月16日の報道です。

 こうした研究は今後、どのように展開していくのでしょうか。その目的は何であり、どこまで実現性のあるものなのでしょうか。また、そうした研究や利用はどこまで倫理的に許容できるものなのでしょうか。当然、こうした問いが浮かんできます。

この度、この(1)の研究を進めているグループのお一人である、京都大学iPS細胞研究所の髙島康弘先生にこの研究やその背景についてお話をお願いいたしました。またiPS研究の最新事情と(2)のヒトと動物のキメラ胚研究の進展状況と、それらの倫理面も含めたお話を、神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科の八代嘉美先生にお願いいたしました。市民社会が専門家とともに考えていかなくてはならない問題ですが、そのための手がかりになるようなご講演をしていただきます。是非とも多くの方々に参加していただきたいと思います。



日時 :2021年8月1日(日)13時30分~16時 (入場13時から)

テーマ:ヒトのいのちとからだを人為的に作る研究の進展とその倫理的問題

講師 :髙島康弘先生 京都大学iPS細胞研究所

八代嘉美先生 神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科

司会 :島薗進先生 上智大学グリーフケア研究所所長、東京大学名誉教授

参加費:1000円 (但し学生無料)

主催:ゲノム問題検討会議

予約方法や問い合わせ先はホームページを参照ください。



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