中野相続裁判さいたま地裁はコロナ禍で3月19日に延期しましたが、早川労災裁判は予定通り東京地裁で実施します。
文京七中・早川労災裁判第9回口頭弁論が開催される。弁論準備手続きも含めると第10回である。林田医療裁判・中野相続裁判は早川労災裁判と相互支援している。
日時:2021年1月28日午後4時30分
場所:東京地裁709号法廷
裁判長:三木素子、右陪席:豊田哲也、左陪席:根岸聡知
12月22日に証人尋問を予定していたが、「法廷が狭い」の理由で延期になった。傍聴席のご支援が、裁判長に「広い法廷に変更」を決断させた。しかし、法廷の空き不足のため、時間が足りず、証人尋問は行わない。頸肩腕障害発症原因の証拠ビデオを映写する。実際に板書する姿を映し、体に負担がかかることを示す。
原告の早川さんは東京都の中学校教員であった。板書などで頚肩腕障害を発症し、公務災害を申請しようとしたが、学校側から申請用紙の提供拒否や申請の受付拒否を繰り返された。文京七中・早川労災裁判は、この不受理とされた公務災害を求める訴訟である。
この裁判には公務災害認定請求書握り潰し訴訟という前段がある。これは早川さんが2006年に以下を求めて提起した訴訟である。
・地方公務員災害補償基金に対して、請求書を都教委に受理させなかった不作為の違法確認
・都教委に対して、請求書の受理と基金への送付義務付け
・基金と東京都に対して、請求書未送付の不作為の損害賠償
この裁判では2012年に東京都に慰謝料等50万円の支払いを命じる判決が確定した。裁判では基金の責任は認められなかったが、基金の運用が変更された。
「基金本部が全国に「事務連絡」を発して「災害補償の手引」が一部改正され、所属部局長が災害発生状況の把握が困難な場合は、証明困難である旨を証明欄に記載して提出すること、長期間証明がなされない場合には被災職員等から基金支部長に対し直接認定請求がなされることが明記されるようになった。これは重大な実務の変更であり、原告と組合、支援の仲間で勝ち取った誇るべき画期的成果である」(一審原告 早川由紀子、全国一般東京労組文京七中分会、早川由紀子さんの不当免職撤回を支援する会、公務災害認定請求書握りつぶし訴訟弁護団「公務災害認定請求書握り潰し訴訟 最高裁での対東京都勝利判決確定声明」2012年3月15日)
往々にして日本では労働問題に対して部署内の直接的なコミュニケーション活性化で何とかしようとする昭和的な解決策が採られる傾向がある。これに対して公務災害認定請求書握り潰し訴訟では部署の職制を通さずに直接請求できるようにした。21世紀的な解決策である。
第8回口頭弁論は2020年9月24日午前10時から東京地裁709号法廷に行われた。早川労災裁判も中野相続裁判と同じく新型コロナウイルス感染症によって期日が延期していた。
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