4月2日は週刊誌の日。週刊現代2020年3月14日号の記事「新型コロナ「院内感染」東京・杉並佼成病院の場合」は、立正佼成会附属佼成病院の新型コロナウイルス院内感染を取り上げた。佼成病院では2020年2月の早い段階で新型コロナウイルスの院内感染が起きたが、マスメディアではあまり取り上げなかった。週刊誌記事は貴重である。
新型コロナウイルス感染症は第4波が起きつつある。既に東京都の感染状況は2020年夏の第2波を超えた。2021年3月28日時点の週平均の新規感染者数は351.0人。第2波ピークの8月5日の346.1人を上回った(「感染高止まり、「第2波」超す 宣言解除の影響これから」朝日新聞2021年3月28日)。
東京よりも先に緊急事態宣言を解除した大阪はより深刻である。感染者数は大阪府が東京都を上回った。東京都の2021年4月3日の感染者は446人。同じ日の大阪府の感染者は666人で過去最多。小池百合子都知事の大阪株発言を批判する向きがあるが、これまでさんざん東京都の往来自粛や東京差別がなされてきた。東京側が発言すると差別と攻撃することは相互主義に反する。
大阪の感染者数666人は奇しくも悪魔の数字である。これは『新約聖書』の獣の数字に由来するが、大阪人にとっては1000-666=334が印象深い。2005年の日本シリーズの千葉ロッテマリーンズと阪神タイガースの総得点が33対4であった。
新型コロナウイルスの持続化給付金は不正受給が次々と発覚している。日本モーターボート競走会は競艇選手211人が持続化給付金を不正受給したと発表した。新型コロナウイルスの影響による減収がないにもかかわらず、嘘の申請をして給付金を受給した。211人は競艇選手全体の8分の1も占める。不正受給率が高い。持続化給付金は徹底的に見直す必要がある。不正受給はいくらでも出てくるだろう。
金をばらまいて経済を回すことを善とする感覚が害悪である。不正受給を悪いこととする感覚が出てこなくなる。お金が回ることが良いとするケインズ経済学的発想の弊害は大きい。価値を提供しない取引に価値はない。お金を回すことが目的化するならば自転車操業である。健全な経済観念ではない。
支給する公務員組織側にも問題がある。公務員組織の能力不足が問題である。公務員組織の能力を考えれば一律給付でなければ不正が多発し、アンフェアな状態になる。定額給付金も減収世帯にのみ30万円という案があったが、実現していたら、支給は遅れ、不正や不公平感が溢れていただろう。一律10万円で正解であった。一方で飲食店の時短の協力金のように規模に関係なく一律の支給もアンフェアである。大きな金額を一律は問題である。
「官僚たちも形式的で、たとえば物事の本質を考えようとはせず、自分にあてがわれた仕事を機械的に処理することで満足してしまっている」(渋沢栄一著、守屋淳訳『現代語訳 論語と算盤』筑摩書房、2010年、113頁)。
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