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執筆者の写真林田医療裁判

週刊現代に佼成病院コロナウイルス院内感染

更新日:2020年3月15日

立正佼成会附属佼成病院(杉並区和田、杏林学園教育関連施設)の新型コロナウイルス(COVID-19; coronavirus disease 2019)院内感染が週刊現代2020年3月14日号の「新型コロナ「院内感染」東京・杉並佼成病院の場合」で取り上げられた。「感染者が大部屋にいた」「患者から別の患者へ」とショッキングな事実が書かれている。


記事では報道では伝えられていない内容が含まれている。最初に新型コロナウイルス感染が判明した80代男性は怪我で佼成病院に入院したとする。「男性はケガでこの病院に入院してきたものの、当初から発熱の症状があり、症状は新型コロナのそれと酷似していた」(47頁)


この点は厚生労働省発表に基づくNHK報道と異なる。「厚生労働省によりますと、男性は今月9日に食欲がなくなり今月13日に発熱があったため都内の医療機関に入院しました」(「新型コロナウイルス 東京の80代男性が死亡 厚労省」NHK 2020年2月26日)。


記事では佼成病院の内科や呼吸器内科の医師達は2020年2月16日の時点で「コロナウイルスなんじゃないか」との疑いを抱いたとする。この16日から人工呼吸器を装着する事態になった。しかし、病院が東京都や杉並保健所と連携してPCR検査で結果が出たのは2日後の2月18日であった。Twitter上では2月16日の時点で把握していたのではないかとの指摘がなされていたが、それが根拠のあるものであることが記事から裏付けられる。


80代男性は26日に死亡した。厚生労働省の発表や発表に基づく報道では、この男性が佼成病院に入院していた患者であると明言していなかった。この記事では明言している。


記事は「病院が閉鎖される前に出入りしていた患者の家族や様々な業者などに知らず知らずのうちにウイルスが波及している可能性は極めて高い」と指摘する(47頁)。佼成病院では4人が新型コロナウイルスに感染している。5人以上の感染者を出すとクラスターとされる。本当に4人だけにとどまっているのかと考えたくなる。


記事は「最初の陽性患者の主訴が発熱でなかったとはいえ、同室の患者や看護師まで感染してしまっているなど、佼成病院の医療機関としての管理体制は杜撰だったと言わざるを得ない」と指摘する(48頁)。この杜撰さは佼成病院が舞台になった林田医療裁判とも重なる。

林田医療裁判では患者の長男が経鼻経管栄養の流入速度を勝手に速めたが、病院は速められたことを検知できなかった。証人尋問では患者の死因がカルテ記載の誤嚥性肺炎から多剤耐性緑膿菌多剤耐性緑膿菌(multidrug resistance Pseudomonas aeruginosa; MDRP)の院内感染に変更された。林田医療裁判できちんと対策を採らなかったことが新型コロナウイルス院内感染につながっている。


記事は「病院に行ってはいけない」という特集の中にある。「院内感染は日常茶飯事」との見出しがある。「入院をしている場合、水回りで感染する緑膿菌も危険だ。抵抗力が落ちている高齢者の場合、菌が体内に入ることで多臓器不全を引き起こし、死につながる」(41頁)。


週刊現代2020年3月14日号には「日本の医療はこんなに不平等です」との特集もある。医師個人の理念で左右される不合理は林田医療裁判でも感じている。




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