石川県で新型コロナウイルスのワクチン接種を2回受けた人の新型コロナウイルス感染が確認された。感染者と接触があったため検査を受けたところ感染が確認された。厚生労働省は「海外でも接種を終えた人の感染が確認された事例はある。ワクチンを接種すれば感染のリスクを減らせるが、リスクを完全になくすことまではできないので、接種を終えたあとも感染対策を続けて欲しい」とする(「新型コロナ ワクチン2回接種の感染者確認 金沢」NHK 2021年4月11日)。
結局のところ、ワクチン接種後もNew Normalの新しい生活様式が求められる。ワクチンかSocial Distancingかという二者択一にはならず、Social Distancingを続ける必要がある。New Normalは悪いことではない。
「仕事や働き方において生じた意識の変化について。最も多く挙げられたのが、通勤の苦痛から解放された人たちの歓喜の声だった」(紫原明子「自粛生活に「幸福を感じた人」が口々に語る理由 150人調査で見えてきた、意外な「要不要」」東洋経済Online 2020年5月21日)
ワクチンが普及すればコロナ以前の生活で良いと考えることは危険である。チリは国民の25%以上が1回目の接種を終えたワクチン先進国であるが、2021年3月は1日の新規感染者が5千人を超える日が続いている。ワクチン接種が人々の気の緩みに拍車をかけたと指摘されている(「接種世界一なのに感染拡大のチリ ワクチンが遠因?」朝日新聞2021年3月20日)。
日本ではワクチンの普及も遅れている。ワクチンは保管条件や複数回の接種が必要になること、当初は供給が限定的であることなど条件は複雑であり、給付金の混乱の二の舞が懸念される。八王子市などは高齢者接種を希望者の先着順としている。既に万人に広くという点を諦めている。これは公務員組織の能力を考えれば現実的である。
新型コロナウイルスワクチン接種後の死亡事例も出た(厚生労働省「新型コロナワクチンの接種後の死亡事例の報告について(1例目)」2021年3月2日)。ワクチンを2月26日に接種した60代女性が3月1日に死亡した。女性に基礎疾患はない。「ワクチン接種との因果関係」は「現時点では評価不能」とする。評価不能は責任逃れの保身公務員体質には都合の良い言葉である。ワクチンの普及にも手間取っており、目の前の課題解決優先の公務員の悪癖によって、有害事象の因果関係の究明がなおざりにされる危険がある。
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