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執筆者の写真林田医療裁判

東京オリンピック中止論高まる

東京オリンピックは新型コロナウイルス感染拡大で中止論が高まっている。英国紙The Guardianは2021年4月12日の社説「The Guardian view on the Tokyo Olympics: must the show go on?」で東京五輪中止を主張した。Japan and the IOC must ask themselves whether this event can really be justified.


米国紙The San Francisco Chronicleの2021年5月3日の記事「Tokyo Olympics should not be held in 2021 under COVID's long shadow」は、世界各地で新型コロナウイルスの影響が長期化しており、東京五輪は開催されるべきではないと主張した。この記事は共同通信が紹介した(「米紙、東京五輪開催すべきでない コロナ禍長期化「時間足りない」」共同通信2021年5月4日)。


国際医療福祉大学病院予防医学センターの一石英一郎・教授は東京オリンピックが変異ウイルスの祭典になりかねないと指摘する。世界各地から様々な変異種が持ち込まれたことで、新たな変異種が生まれる危険がある。それが日本型や東京型という名前で日本や東京が世界から記憶されることになるかもしれない。


「IOCは各国の選手団や大会関係者の参加人数を削減すると発表したが、それでも6万人程度の関係者の来日が見込まれている。それだけ来日すれば、様々な変異ウイルスが東京に持ち込まれるリスクは否定できない。平和の祭典のはずの東京五輪が、“変異ウイルスの災典”になりかねない」(「東京五輪が「変異ウイルスの災典」に… 海外メディアでは中止論続出」NEWSポストセブン2021年4月26日)


厚労省感染症対策アドバイザリーボードのメンバーの西浦教授はコロナ対策を優先し、東京五輪の1年再延期の検討を主張した(「「東京五輪1年再延期の検討を」 西浦教授が提言」文春オンライン2021年4月14日)。東京オリンピック開催強行で失敗五輪になる恐れがある(「「開催強行」で失敗五輪になる恐れ 抜本見直し提起につなげられるか」共同通信2021年5月2日)。


自民党の二階俊博幹事長は「(五輪中止は)とてもこれでは無理だと、誰もがそう判断する状況になった時のことだ」(「五輪中止に重点置かず 自民・二階幹事長」時事通信2021年4月19日)。政治のビジョン提示を放棄している。日本政府は欧米諸国が参加辞退をしないと中止に踏み切れないのだろうか。


民間感覚では率先して中止すること、撤退すること、リストラクチャリングを進めることが評価される。公務員組織は困難を乗り越えて頑張って成功されることが価値という昭和の感覚のままなのか。立ち止まって考えず、一度立てた計画に固執することは公務員の悪癖である。このままオリンピックを公務員流に粛々と進めれば進めるほどオリンピックに悪印象が生じるだろう。


Unfortunately, the epidemic situation is becoming more and more serious in Japan.

「高齢者の予防接種が完了すれば医療が逼迫するような社会的喧騒がすぐ終わるわけではないことを強く示唆します。酸素投与や人工呼吸が必要な生産年齢人口の患者をしっかり診ることが現場に更に課されることになります。感染者数を常に少なく抑えて制御することが必要です」(「西浦博 教授が緊急報告、「第4波」が“これまでと違う”と言わざるを得ない「4つ」の理由」現代ビジネス2021年5月4日)


居酒屋「金の蔵」は新型コロナウイルス対応で直営店全10店を寿司店などに業態転換する(「居酒屋「金の蔵」直営店、すし店に転換へ…社長「コロナ禍で甘い期待抱けず」」読売新聞2021年5月4日)。宴会ではなく、食事で勝負することは、個々の消費者により価値ある財の提供になる。新型コロナウイルスによって消費形態は変わるが、飲食の需要はなくならない。昭和の飲みニケーションが廃れることはコロナがなくても時代の流れである。




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