菅義偉首相は2021年1月4日の記者会見で新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の発出を検討すると表明した。緊急事態宣言により、中野相続裁判第17回口頭弁論(2021年1月29日)も延期の可能性がある。
首相記者会見では検討と述べただけで、開始時期や期間を明らかにしなかった。報道では2021年1月9日午前0時から東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に1か月程度で検討しているとする(「1月9日から1カ月程度を検討 緊急事態宣言」FNN 2021年1月4日)。
感染者が急増している中で週末の9日からとは遅い。既に検討の状況は過ぎている。大災害が起きても週内に対策する方向で検討と答えるのだろうか。『鬼滅の刃』の鱗滝左近次ならば「判断が遅い」と言うだろう。その後、「最短で7日木曜日に発令する日程を検討している」と前田押しされた(「【独自】緊急事態宣言 早ければ木曜に 東京、千葉、埼玉、神奈川 1都3県で」FNN 2021年1月4日)。
白鴎大の岡田晴恵教授は緊急事態宣言を出すことが遅いと2021年1月4日のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』で指摘した。「市中感染率が低いうちに出すことがポイントですから、ちょっと遅いのかな、と。11月に出せば良かった」(「岡田晴恵教授、緊急事態宣言は今、発令しても「ちょっと遅い…11月に出せば良かった」」スポーツ報知2021年1月4日)。GO toトラベル停止と同時に発令しても良かった。リアル店舗の年末商戦に忖度したのかと勘繰りたくなる。
首相会見では東京と近県の夜の12月の人出が減っていなかったと指摘する。首相の関心が飲食店に偏っているところが気になる。「限定的、集中的に行うことが効果的だと思っている」とも発言しており、緊急事態宣言を飲食業のみに限定する内容にするのではないかとの懸念がある。クラスターは職場でも広がっている。公務員は民間に負担や我慢を押し付けることばかり考えるが、公共機関の不要不急の活動を停止することも意味がある。
既に学校を休校にしないことに批判の声が出ている。休みになって嬉しいという不真面目な学生の声ではなく、登校で感染することを恐れる真面目な学生の声である。コロナに感染したら受験をふいにすることになる。現実に都立高校でクラスターが発生した。2020年12月26日から2021年1月3日までの間に1年生から3年生の生徒41人と教職員ら4人と合わせて45人の感染が確認された(「新型コロナ 都立高校で初のクラスター 生徒ら45人感染確認」NHK 2021年1月4日)。
2020年4月からの緊急事態宣言も宣言中は効果があったが、解除後に感染者が増えた。全面的かつ長期的な勝負の数か月間の覚悟が必要ではないか。これは経済を考えないということではない。コロナ禍の困難な状況を乗り越えるためにはITの力が欠かせない。DX; Digital Transformationを進めて感染防止と経済の両立を志向する。
小池百合子東京都知事は以下のように述べる。「営業時間の短縮だけではなく変異したウイルスも入ってきていることなどを考えると、面的にも効果を持たせるために公共交通機関の運転時間やテレワーク、時差通勤などを1都3県で効果のある方法でやっていく」(「東京 小池知事 “緊急事態宣言 ポイントはスピードと実効性”」NHK 2021年1月4日)
但し、政府が9日からとした点には同情できる要素もある。政府は元々、8日まで正月休みを延ばすことを求めていた。8日までは正月休みでStay Homeし、9日から緊急事態宣言とすることで途切れない対策になる。問題は、8日まで正月休みを延ばすという方針が広く受け入れられていなかったことである。
中野相続裁判さいたま地裁でも第17回口頭弁論の期日を1月8日とする案があった。裁判所は8日までなるべく期日を入れない方針になっていると難色を示したが、長男側代理人は期日を急がせており、8日開催の可能性もあった。8日とせずに正解であった。長女側は中野相続裁判さいたま地裁を命の問題として取り上げている。新型コロナウイルス感染症も命の問題として関心を持っている。
東京都では2020年12月31日に1337人の感染を確認した。1日あたりの新規感染者数として過去最多。2021年1月3日の新規感染者数は816人。日曜日としては過去最多。重症者数は緊急事態宣言解除後初めて100人を超え、101人になる見通し。重症者の増え方が早くなっている。
1月4日の感染者数は884人。1日の感染者数が800人を超えるのは3日連続。月曜日としては12月28日の481人を大幅に上回り、過去最多。都の基準で集計した重症者数は108人で、これも過去最多になった(「東京都 新型コロナ 884人の感染確認重症患者108人で最多」NHK 2021年1月4日)。
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