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執筆者の写真林田医療裁判

患者・家族とともに考える患者安全の推進と医療事故調査

患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋は2020年9月19日、「世界患者安全の日」(9/17)を知ろう!Web講演・シンポジウム「患者・家族とともに考える患者安全の推進と医療事故調査」をZoom開催した。医療の良心を守る市民の会が共催、厚生労働省が後援する。


WHOは毎年9月17日を「世界患者安全の日」(World Patient Safety Day)として患者安全を啓発する日にした。日本では「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」が2020年3月に改訂され、医療事故の対応で医療安全管理者と医療対話推進者(患者と医療者の対話を推進する者)との連携が重視されるようになった。


シンポジウムでは患者安全の観点から「世界患者安全の日」を広め、患者安全と医療事故調査・対応について、どのような視点で、いかなる人の関わりや支援が必要なのかを議論した。


講演タイトルは以下の通り。

「医療安全施策の動向について」厚生労働省医政局総務課医療安全推進室の諸冨伸夫室長

「医療事故調査制度5年の経験から考える患者安全」日本医療安全調査機構の木村壮介常務理事

「群大病院の患者参加型医療へのチャレンジ」群馬大学病院医療の質・安全管理部の滝沢牧子副部長

「世界の患者安全-患者家族とともに」国立保健医療科学院の種田憲一郎上席主任研究官


「群大病院の患者参加型医療へのチャレンジ」では群馬大学病院腹腔鏡手術後8人死亡事故後の病院の取り組みを紹介した。群大病院では腹くう鏡の手術を受けた患者が相次いで死亡した事故が起きた。群大病院は事故後に検査データや診療記録が記された電子カルテを患者や家族が閲覧できるシステムを導入したと紹介した。滝沢医師は「患者に積極的に医療に参加してもらうことが、安全の質の向上につながる」と主張した。


パネルディスカッションでは患者遺族として「医療過誤原告の会」の宮脇正和さんが登壇した。宮脇さんは「病院は、組織として向き合ってくれないこともあり、良心だけに任せる仕組みでは不十分だ」と指摘した(「医療現場での患者の安全考えるシンポジウム」NHK 2020年9月19日)。


宮脇さんの指摘は林田医療裁判にも該当する。林田医療裁判の舞台となった立正佼成会附属佼成病院は患者の長男が患者の経鼻経管栄養の流入速度を速めた。また、患者の長男が患者の治療を拒否する意向を示したことに対し、他の家族へのヒアリングやチーム医療としての対応をしなかった。これを踏まえて患者の権利を守る会は佼成病院に公開質問状を出しているが、一度も回答はない。




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