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執筆者の写真林田医療裁判

公開質問状38公立福生病院事件が問うたもの

更新日:6月29日

高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって立正佼成会附属佼成病院 甲能直幸病院長宛に2022年3月1日に38回目の公開質問状を送付しました。今回のテーマは、2022年2月12日に公立福生病院事件を考える連絡会事務局が開催したシンポジウム「公立福生病院事件裁判が問うたもの」の中からです。シンポジウムには、林田医療裁判を考える会も参加しました。


林田医療裁判では、長男が治療を拒否したその日に母の誤嚥性肺炎の治療が中止されました。その後呼吸困難になるも長男が酸素吸入を拒否したから医師は母の酸素マスクを外して自力呼吸をさせました。東京地裁の判決は、長男は家の意見を集約しているキーパーソンだからという理由で病院の治療中止は問われませんでした。この判決に比べれば公立福生病院事件担当の裁判官の医療認識は数段上だと考えます。被害者が声をあげることによって世の中が少しずつ変わることを感じています。


Informed Consentや患者の自己決定権は素晴らしい言葉です。この言葉を美しいと思っているし、実際に多くの人が使っています。しかし、その実態はどうでしょうか。死なせる医療に誘導するアリバイ作りのために利用していないでしょうか。


NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼朝は鯵が苦手と言いました。これに対して北条政子は小骨をとって提供しました。相手が嫌がる本質を捉えて、解決策を提示します。相手の答えを表面的に受け取るだけという公務員的なアリバイ作りの意思確認とは異なります。


公開質問状は、今年も続きます。ご覧いただければ幸いです。

関連訴訟の #中野相続裁判 が4月にあります。

お時間のある方は傍聴をお願いします。

2022年4月22日(金)11時 さいたま地裁C棟 105法廷


立正佼成会附属佼成病院 病院長 甲能直幸 様

公開質問状(38)


 前略

高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって38回目の公開質問状をご送付致します。

2022年2月12日 公立福生病院事件を考える連絡会事務局は、シンポジウム「公立福生病院事件が問うたもの」を開催しました。「林田医療裁判を考える会」も参加しました。


福生病院の医師は、透析を中止した場合のデメリットを具体的に説明しませんでした。透析を中止すると、どのような苦しみがでて、その苦しみの程度はどうかとか、それがどの程度続くかなどを説明していません。透析を中止すると尿毒症や肺水腫で苦しみます。実際、患者は8月14日に「こんなに苦しくなるとは思わなかった」と言っています。


裁判所が和解調書に付けた前文には「透析中止の判断が患者の生死に関わる重大な意思決定であることに鑑みると、一見記録上、本件患者に対する透析中止に係る説明や意思決定について不十分な点があったと言えることを踏まえ、当裁判所は、本件紛争の適切妥当な解決策として和解を勧告」とあることは重要であると考えます。


また福生病院医師は、証人尋問で透析するよう説得しなかった理由として、透析を対処医療だからと述べました。「何かの医療、これ根治の医療だと話は別で、本人が嫌がろうが何しようが説得をしてその治療を行えば元どおりに治るので、その説得はします。ただ、対処医療においては、その説得をしたことによる根治は得られないということになるので、積極的にその対処医療の何かの一つの選択肢を推し進める説得するということはうちの病院ではしていません」と証言しました。


これに対し裁判所は、救命治療(根治治療)と延命治療(対処医療)という区別をせず、「生死に関わる意思決定」は差別なく、「慎重かつ丁寧な説明」をする要求をしました。


シンポジウムでは、チーム医療が機能していない点を問題と指摘しました。周辺の同僚医師、看護師や他のコメディカル、事務職、医療ソーシャルワーカーなどのチーム医療構成員達が、当該医師の偏った考え方や自殺幇助とも疑われるような行動、指示に抵抗しなかった点に異常性を感じる、との意見が出ました。「チーム医療が機能していれば」という点は林田医療裁判にも当てはまります。


参加医師は、「一透析医としてこの事件をどう捉えたか」を話しました。「日本透析医学会は透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについて提言しているが、患者中心の医療を提言する姿勢ではない。昔のパターナリズムには患者のための医療という良心があった。公立福生病院の医師は患者には自己決定権があると突き放している。一緒になって悩むことが大事である。」


これも林田医療裁判と重なります。佼成病院の岩﨑医師は、患者の長男が治療を拒否したその日に誤嚥性肺炎の治療をやめました。結果容体が悪化して呼吸困難になるも、長男が酸素吸入を拒否したら岩﨑医師は、患者の酸素マスクを外して自力呼吸をさせました。岩﨑医師自身の理念で患者本人の意思確認はしませんでした。他の家族らとも協議説明しませんでした。結果として他の家族は治療中止で死ぬことになっているのを知りませんでした。それどころか、治療は尽くされている、と信じていました。チーム医療であれば、岩﨑医師の偏った行動を止める人がいたでしょう。


患者は、誤嚥性肺炎の治療を中止されて酸素マスクも外されて自然死として放置されました。どんなに苦しかったことか、患者の長女は、母を助けることが出来ず、今でも悔やんでいます。佼成病院は、長男だけの要望で患者の治療方針が決められ、息ができない苦しみの中で患者は、命を縮めて絶たれました。病院長殿は、どのようにお感じでしょうか。医療機関としてのご意見を御寄せ下さることが道義上期待されるところです。


例によって、まだご回答がない第1回公開質問状を以下に掲載いたします。このような問題は佼成病院だけの問題とするのではなく、広く世間に公開して議論を深めることで開かれた医療を進めるために役立ちます。この質問状はご回答の有無に関わらずネット上に公開させていただきます。ご回答は2週間以内に郵送でお願い致します。

草々


公開質問状本文は下記にあります。





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