患者の権利を守る会は林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2020年7月1日付で公開質問状(18)を送付しました。コロナショック後初の公開質問状です。7月1日は1年の後半の始まりです。最初に公開質問状を送付した2019年6月30日から1年目です。
公開質問状は佼成病院に2019年6月に話し合いを求めましたところ、お断りされたため、出し続けているものです。しかしながら1度もご回答がなく、間もなく第18回目を出す予定でした。ところが、佼成病院で新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)の院内感染が判明し、診療中止となったため、お見舞い申し上げると共に送付を延期していました。
立正佼成会附属佼成病院
病院長 甲能直幸 様
公開質問状(18)
2020年7月1日
前略
新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)に罹患された皆様と関係者の皆様、感染拡大により生活に影響を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の拡大は日本の医療の問題を浮き彫りにしました。医療を受ける権利や誰が治療中止を判断するかを問いかけた林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償事件)の意義を再確認させます。そこで公開質問状(18)を送付致します。これは3月に送付する予定でしたが、立正佼成会附属佼成病院で新型コロナウイルス感染症の院内感染が起きたために送付を見合わせていました。
林田医療裁判では佼成病院の医師が証人尋問で多剤耐性緑膿菌(Multi Drug Resitant Psedomonas aeruginosa; MDRP)の院内感染があったと証言しました。この院内感染についてもっと深く掘り下げていれば、院内感染防止の知見を増やすことに貢献できたのではないかと悔やまれます。
佼成病院は杉並区のコロナ対策の補正予算により補助を受ける立場になり、これまで以上に公共的性格を持つようになりました。この公共的立場を自覚して、公開質問状に真摯に向き合うことを要望します。
アカウンタビリティについての以下の説明は佼成病院にとっても有益であると考えます。「アカウンタビリティという言葉が使われますが、この真の意味は、単に説明をするということではなく、説明した内容を実行していることを証明する、さらに誤りがあれば責任を持って訂正する、というところまでが含まれます」(寺田眞治「「ポストコロナのデータプライバシー 社会実装に向けて」(第4回)日本におけるこれからのデータプライバシー」第94回JIPDECセミナー2020年5月28日)
以下は、2020年2月26日読売新聞記載の記事からです。
「すれ違う姉妹の思い
19年8月初旬、幸崎さんが訪ねたとき、文彦さんに変化があった。熱を出し、息が荒い『いよいよかも』。幸崎さんの胸には、この13年前、がんにかかった夫を自宅で看取った記憶が刻まれている。往診に来た山崎さんに『自然なままで』と改めて思いを告げた。
しばらくして駆け付けた由美さんは、違う気持ちでいた。『苦しそう。何とかしなきゃ』。少しでも改善する手立てがあるなら、できるだけ実行してほしい。助けてほしいー 。『すぐに救急車を呼んでください!』。由美さんは、迷わず強く求めていた。きょうだい3人で救急車に乗り、由美さんは言った。『文彦は死なせない』」
お分かりいただけると思いますがこれは、兄弟姉妹でもそれぞれ思いが違うことの一例です。このように兄弟姉妹がいればそれぞれ違う思いを持っていることは誰でも察しています。また思いとは、状況によってその都度変化することを医療従事者なら経験済みでわかることです。
佼成病院では、キーパーソンの設定を家族には説明しませんでした。そして佼成病院は、家族らに相談することなく勝手に患者の長男をキーパーソンと決めました。しかし、佼成病院のキーパーソンの設定を知らない他の家族らは、長男がキーパーソンであることを知りませんでした。もちろんキーパーソンの役割、権限も知りませんでした。
佼成病院が他の家族らに相談することなくキーパーソンと決めた長男は、患者の経鼻経管栄養の注入速度を速めるという違法行為をする人間でした。
その後長男は、嘔吐して肺炎を発症した患者の治療を数々拒否しました。ところが岩﨑医師は、簡単に長男の治療拒否に従い、酸素マスク拒否にも従い肺炎の患者の酸素マスクを外して自力呼吸をさせました。
しかし他の家族らは、母親の死から2年後にカルテを見て事情を知りました。カルテを見なければ知らないままになるところでした。佼成病院の手続きなどやり方に家族は疑問を持ちました。
命を画する重大事項が簡単に実行されたことに驚いています。岩﨑医師は、長男の行為に対して「私の理念を理解してくれた」と語っていました。同意書もなく、厚労省のガイドラインの手続きとも違う独自の理念に家族は疑問を抱いています。
昨年6月25日 私達は、公開質問状に先立ち佼成病院に話し合いを申し入れましたが6月26日拒否されました。その後6月30日公開質問状をご送付致しました。今回で18回目になりますが未だ一度もご返事をいただいておりません。このような重大な問題は、病院長様だけで抱え込んでいないで立正佼成会の皆様にもご相談なさることをお勧め致します。佼成病院がクリーンな姿勢を打ち出す好機になりますように期待しております。
命を預かる病院には医療の透明性が求められます。市民の疑問に向き合うことによって病院内の自浄作用が生まれるというものです。
いつものように2019年6月30日付 第1回公開質問状を以下に掲載いたします。もう内容は十分ご周知のはずですのでご回答は2週間以内に郵送でお願いします。この質問状は、ご回答の有無にかかわらずネット上に公開させて頂きます。
草々
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