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執筆者の写真林田医療裁判

公開質問状20

立正佼成会附属佼成病院 

病院長 甲能直幸 様

公 開 質 問 状(20)

2020年9月22日

 前略

9月17日が世界患者安全の日に制定されたのを広報する一環として、「医療現場での患者の安全を考えるシンポジウム」が2020年9月19日NHKニュースで放送されました。

患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋は2020年9月19日、「世界患者安全の日」(9/17)を知ろう!Web講演・シンポジウム「患者・家族とともに考える患者安全の推進と医療事故調査」をZoom開催しました。医療の良心を守る市民の会が共催、厚生労働省が後援です。

WHOは毎年9月17日を「世界患者安全の日」(World Patient Safety Day)として患者安全を啓発する日にしました。日本では「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」が2020年3月に改訂され、医療事故の対応で医療安全管理者と医療対話推進者(患者と医療者の対話を推進する者)との連携が重視されるようになりました。

シンポジウムでは患者安全の観点から「世界患者安全の日」を広め、患者安全と医療事故調査・対応について、どのような視点で、いかなる人の関わりや支援が必要なのかを議論しました。

講演タイトルは以下の通りです。

「医療安全施策の動向について」厚生労働省医政局総務課医療安全推進室の諸冨伸夫室長

「医療事故調査制度5年の経験から考える患者安全」日本医療安全調査機構の木村壮介常務理事

「群大病院の患者参加型医療へのチャレンジ」群馬大学病院医療の質・安全管理部の滝沢牧子副部長

「世界の患者安全-患者家族とともに」国立保健医療科学院の種田憲一郎上席主任研究官

「群大病院の患者参加型医療へのチャレンジ」では群馬大学病院腹腔鏡手術後8人死亡事故後の病院の取り組みを紹介しました。群大病院では腹くう鏡の手術を受けた患者が相次いで死亡した事故が起きました。群大病院は事故後に検査データや診療記録が記された電子カルテを患者や家族が閲覧できるシステムを導入したと紹介しました。滝沢医師は「患者に積極的に医療に参加してもらうことが、安全の質の向上につながる」と主張しました。

パネルディスカッションでは患者遺族として「医療過誤原告の会」の宮脇正和さんが登壇しました。宮脇さんは「病院は、組織として向き合ってくれないこともあり、良心だけに任せる仕組みでは不十分だ」と指摘しました。

*****

滝沢医師の言葉には、感銘を受けました。

宮脇さんの指摘は林田医療裁判にも該当します。立正佼成会附属佼成病院では、無資格者の患者の長男が患者の経鼻経管栄養の流入速度を速めました。また、患者の長男が患者の治療を拒否する意向を示したことに対し、他の家族へのヒアリングやチーム医療としての対応をしませんでした。また担当された岩﨑正知医師の理念で患者本人の意思確認をしませんでした。これを踏まえて患者の権利を守る会は佼成病院に公開質問状を出し続けて一年以上になります。しかしながら一度も回答はありません。佼成病院の良心にだけ任せるのでは不十分なのでしょうか?

 林田医療裁判の患者は、立正佼成会の信者ではないのですが、また自ら選択したわけでもないのですが立正佼成会附属佼成病院に救急車で搬送されました。佼成病院は、東京都が指定する第2次救急病院です。医療は、生命、健康に関わるものだけに公的に保護されていると同時に規範的な規制も課せられており、高い説明責任が求められます。

すでにご承知とは思いますが、社会的責任に関する国際規格ISO26000は、2010年11月1日発行されました。日本は発行国として参加しています。世界に恥じない対応が必要になっています。

今こそ組織が果たすべき社会的責任を真剣に考える時が来たのではないでしょうか。佼成病院が、公開質問状をクリーンな姿勢を打ち出す好機として活用されることを期待します。

この質問状は、ご回答の有無に関わらずネット上に公開いたします。公開の議論の場により、医療関係者、患者、市民が意見を交わし適切な医療を進める一助にしたいと考えます。いつものようにご回答がないままになっている第1回公開質問状を以下に掲載します。

草々

*****

 公 開 質 問 状(2019年6月30日 第1回)

第1 質問事項

1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。

2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。

3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。

第2 質問の趣旨

 1  林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。

 2  そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。

3  従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。

以上

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