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執筆者の写真林田医療裁判

立正佼成会附属佼成病院への公開質問状(4)

更新日:2020年7月5日

患者の権利を守る会は林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2019年8月17日付で公開質問状を送付しました。


立正佼成会附属佼成病院 御中

病院長 甲能直幸 様


公 開 質 問 状(4)

2019年8月17日


前略 

病院長様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて私達、「患者の権利を守る会」では、2019年6月30日付で公開質問状を病院長様宛にご送付致しました。その後、7月19日、8月2日と督促の書面をご送付致しました。しかしながら、未だ何一つとしてお返事がありません。そのため4回目のご送付をさせて頂きます。

せめて「受け取りました。内容を吟味して早急にご返答いたします」など、ステークホルダーの尊重からも相手の立場に立ったご連絡でもあれば、気持ちが伝わり心を通わせる効果があるというものです。信頼も生まれます。

貴院からお返事が来ない理由を私達は、ISO26000である公開質問状が果たして組織のトップである病院長様に上がっていないのではないか?または、お加減でも悪いのではないか?など按じております。

ご存知のようにISO26000は、お客様サービス係りや窓口での対応が許されるものではなく、病院長に直接情報をあげなければならないものです。貴院では国際規格化されている組織が果たすべき社会的責任について職員らにどうご指導されているのでしょうか?


かつての日本では、患者と医師の間にパターナリズムの関係がありました。患者は医師の決めたことに一方的に従うだけでした。しかし、欧米では、戦前より患者の自己決定権が優先されていました。

日本では、昭和40年に唄孝一教授が論文を発表されて以来日本の病院では次々に患者の権利宣言をしています。いつまでも古い感覚に捉われていたら世界の先進諸国から遅れてしまいます。国際的に恥ずかしくない医療のためには、患者や家族に向き合った丁寧な説明が求められるのは言うまでもありません。

医療被害者の疑問に向き合い、皆様で考えることによって病院の内部の改善につながり、自浄作用ができて再発防止にもなります。


質問事項2の補充になりますが、例えばキーパーソンの設定が病院によってまちまちです。貴院ではキーパーソンを患者家族にどのように説明しておられるのでしょうか?

医療実務においてキーパーソンは病院の説明を聞き、他の家族に説明する役回りを指すとあります。以下は病院がホームページで説明するキーパーソンの役割です。

○ 医療法人鉄友会 柳町病院「病状説明を聞き、その内容を他のご家族の方に伝達していただきます。」


○ 医療法人臼井会 田野病院「症状に関する説明を聞き、その内容を他のご家族の方に伝達していただきます。」


このようにキーパーソンは、病院から見た窓口であって、意思決定のキーパーソンではないです。キーパーソンを家族の代表者と説明する向きもありますが、それは医者から説明を受けたことを家族に伝達するに過ぎないので家族を代表して治療に関する意思決定する者ではなく、キーパーソンが本人に代わって治療を止める権限はないのはお分かりのことと思います。


また、キーパーソン選任については、

医療法人臼井会 田野病院「キーパーソンの選択は、ご家族全員の合意によることが必要となります」、とあるようにこれが医療実務です。

キーパーソンによって患者本人が不利益を受けることがあってはならないから合意によって選ばれることが求められます。ところが、林田医療裁判では家族全員の合意をとっていないどころか、貴院は誰をキーパーソンにしたかの説明すらしていませんでした。


 以下に第1回公開質問状を掲載いたします。今まで通り「質問の趣旨」を第2に記載してありますのでご理解いただいて質問事項にご回答下さい。2週間以内にお願いします。回答の有無にかかわらずネット上に公開致します。議論を深め、世界に通用する患者主体の医療に近づけることを願っております。

草々


***

         公 開 質 問 状

第1 質問事項

1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。

2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。

3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。


第2 質問の趣旨

 1  林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。


 2  そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。


3  従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。

以上


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