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執筆者の写真林田医療裁判

佼成病院への公開質問状(16)

更新日:2020年12月31日

患者の権利を守る会は林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2020年2月3日付で公開質問状(16)を送付しました。


立正佼成会附属佼成病院 

病院長 甲能直幸 様


公 開 質 問 状(16)

2020年2月3日


前略

二週間経ちましたので第16回公開質問状をお送りいたします。本来なら参上して教育病院としての佼成病院の理念などお話をお伺いしてお勉強させていただきたいところではありますが、メールと郵送にて失礼しております。

林田医療裁判の地裁判決は判例時報2351号14頁(2018年1月11日号)に掲載されました。また、医療過誤原告の会の会報第40号『悲しみにくじけないで』(2018年7月1日)に林田医療裁判の手記が掲載されました(林田悦子「母の望まぬ死」66頁)。

東京地方裁判所で2019年10月9日に開催された第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウムにも取り上げられました。最近では、2020年1月13日に「公立福生病院を考える連絡会」の勉強会で林田医療裁判が取り上げられました。

勉強会では、「安楽死や治療中止等についての裁判事例、判例について」の一例として説明されました。

ここでは、林田医療裁判は大きく2点を問題にしました。患者の長男が経管栄養の注入速度を速めたことと、患者本人と家族である患者の長女への説明と同意がなかったことです。第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」(東京地方裁判所)では後者に絞って議論されました。これに対して勉強会では両方を対象にしました。福生病院透析中止事件も鎮静剤の投与が過剰ではないかとの意見が出ており、前者の問題も重要だからです。

林田医療裁判が本人の意思を確認しなかったことに対して、障がい者団体より障がい者の治療がキーパーソン次第で決められてしまうと懸念の声が出ました。キーパーソンは連絡窓口であって意思決定の主体ではないとの指摘もありました。

また、川崎協同病院事件判決「疑わしきは生命の利益に」の原則の説明もありました。

勉強会には林田医療裁判原告家族も参加しました。

勉強会で患者の権利を守る会が立正佼成会附属佼成病院に送付している公開質問状についても質問を受けました。家族は、公開質問状は開かれた医療、より良い医療にするために出していることを説明しました。

医療は、病院の都合や家族の都合で行われるものではなく、患者に苦痛を与えない努力をするなど患者の幸せのために何が最善の医療であるのか慎重に協議をして行われるべきものではないのでしょうか?医療は、「倫理観」に支えられた「人道的」なものであってほしいです。

 以上のように林田医療裁判で問われた争点は、「終了しているのではなく」今現在においても問われ続けています。佼成病院は、実際に直面された病院として、倫理的、道義的問題としてご回答をお寄せ下さることが期待されております。

いつものように2019年6月30日付 第1回公開質問状を以下に掲載いたします。ご回答は2週間以内に郵送でお願いします。患者主体の開かれた医療にするためには、市民と共に考え、議論を深めることが必要です。この質問状は、ご回答の有無にかかわらずネット上に公開させて頂きます。

草々



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